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SOUND CORNERvol.135

『BLOW UP YOUR VIDEO』
AC/DC

BLOW UP YOUR VIDEO / AC/DC

数日間、仕事をしながらこのアルバムばかり聴いていた。その訃報が入った時も、このCDの曲が流れていた。以前もそんなことがあった。ふとそれがデジャブのように思い出された。亡くなったのはマルコム・ヤング師である。職人リズムギタリストである。
その裏方への徹し具合がカッコよかった。ライブでも彼とBのクリフ・ウィリアムスは、ノリのある完璧なリズムをキープしつつ、コーラスの時だけさっとマイクスタンドに近づき、コーラスパートが終わるとさっと元の位置に戻るという、前後運動しかしないのである。それが動き回るアンガス師やブライアン師と絶妙のコントラストを描き、AC/DCのライヴに視覚的なメリハリをつけていたのである。自分に裏方、職人に徹することのカッコよさを教えてくれたミュージシャンのひとりであった。R.I.P.
ちなみにこのアルバムには、ちょっと地味になっていたAC/DCがひさしぶりに放った騒乱型ロックアンセム「THAT'S THE WAY I WANNA ROCK N ROLL」が収録されている。

最近の愛聴曲

  • REIGN OF FIRE / ARMORED SAINT『SYMBOL OF SALVATION』
  • LAST TRAIN HOME / ARMORED SAINT『SYMBOL OF SALVATION』
  • SYMBOL OF SALVATION / ARMORED SAINT『SYMBOL OF SALVATION』
    *1991年の『SYMBOL OF SALVATION』から。ARMORED SAINTは、この時代に流行したキラキラ・メタルの中では明らかに異質。カッコいい曲はあるのだが、アルバムとしていまひとつ煮え切らない。しかし今あらためて聴いてみても、これら3曲は文句なしにカッコいい。
  • WE CAN NOT BE SILENCED / PANZER『FATAL COMMAND』
    *2017年の個人的ベストソングのひとつ。「CAN'T BE」ではなく「CAN NOT BE」であるところに強い意志が感じられる。ワケのわからんフニャフニャなガキが数人で楽器を鳴らしてたら、甘ったるい歌を歌ってもロックと呼ばれるアホくさいご時世。しかし反権力・反体制の牙を剥き出すロックもある。『怒れ!憤れ!(Indignez-Vous!)』(Stephane Hessel)である。
  • 全曲『HIGHWAY TO HELL』 / AC/DC『HIGHWAY TO HELL』
    *ジャケット表のアートワークにマルコム師がどーんと登場しているスタジオ盤はこれだけ(『LET THERE BE ROCK』には小さく描かれている)。故ボン・スコット師時代の最終盤であると同時に、次作の『BACK IN BLACK』と並ぶ名盤中の名盤である。
  • 全曲『BACK IN BLACK』 / AC/DC『BACK IN BLACK』
    *ボン・スコット師亡き後の起死回生作にしてロック史上に惨然と輝く名盤。タイトル曲のメインリフは世界最高のロック・リフのひとつだ。自分に音楽面ならず多大な影響を与えてくれたロックバンドを3つ挙げると、このAC/DCとMOTORHEAD、そしてBLACK SABBATHだが、オリジナルメンバーが全員生きているのはSABBATHだけである。そのSABBATHも『THE END』でひとつの時代の終焉を告げた。