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SOUND CORNERvol.142
『DOWN TO EARTH』
RAINBOW

なんでこのタイミングで『DOWN TO EARTH』なのか? しかもアンタが最も好みそうにないRAINBOWの中でもポップなアルバムを?
それはプロレスラーのビッグ・バン・ベイダー氏の死去のせいもある。往年のプロレスファン(ちなみにワタクシはプロレスファンというわけではない。ゴールデンタイムに放送されてた時代はよく観てたけどね)なら「EYES OF THE WORLD」を哀しい気持ちで聴いていることだろう。誤解のないように言っておきたいが、自分はなにもハードかつヘヴィなものだけを聴いているわけではない。メタルもブルーズもジャズもクラシックも昭和歌謡もボサノヴァもポップスも、よいモノは聴く。ラップやヒップホップなど大嫌いと思われがちだが、それらの中でもよいモノは聴く。さて『DOWN TO EARTH』だが、ひさしぶりに聴いてあらためて耳につくのは、故コージー・パウエルのドラムの尋常ではない歯切れのよさ&カッコよさである。あまりに特徴的なフレーズが出てきて、ドラマーならずとも一発でそれとわかるほどである。もちろんブラックモア御大のギターも素晴らしく特徴的だし、ボネット師のVoもウマイし強烈だ。ポップな曲はポップなのだが、いわゆるポップスとは異なるキレがあるのだ。さらに今回実感したのはベースラインのカッコよさ、キーボードの妙である。つまりすべてがスゴイのである。ポップという評価の陰で、そのスゴさを聴き逃している人もいるだろう。それはあまりにもったいない気がする。
最近の愛聴曲
- GRAZED BY HEAVEN / URIAH HEEP『LIVING THE DREAM』
*なんとURIAH HEEPが新作を。アップで若々しくもあるが、シブイところはシブイ。アルバムが楽しみ。
- 全曲『INNOCENT VICTIM』 / URIAH HEEP『INNOCENT VICTIM』
- 全曲『ABOMINOG』 / URIAH HEEP『ABOMINOG』
- BUZZED UP CITY / CITY OF THIEVES『BEAST REALITY』
- BORN TO BE GREAT / CITY OF THIEVES『BEAST REALITY』
- EYES OF THE WORLD / RAINBOW『DOWN TO EARTH』
*R.I.P.
- LOST IN HOLLYWOOD / RAINBOW『DOWN TO EARTH』
*先日「スピード感」の話になった。これは初期METALLICAがどうの「ANGEL OF DEATH」がどうの、ブラストビートがどうのという話ではない。たとえばこの「LOST IN HOLLYWOOD」であり「KILL THE KING」であり「DEATH ALLEY DRIVER」である。切迫感というか緊張感というか、実際のスピードとは異なる、あおってこられる感覚である。自分はこの「スピード感」をハードロックやメタルの醍醐味のひとつと思っている。