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コロンビア小旅行

釣行記ではなく、あえて断片的に書きます。

2010年3月下旬から末にかけてコロンビアに小旅行に行ってきました。同行者はFRA・K氏とスタン・スタンプラリーのT氏、それと全く面識のない関東の人の計4人。偶数ならボートに2名ずつ乗れるので、こういう編成になったようです。

航路は大阪伊丹→成田→ヒューストン→ボゴタ(コロンビアの首都)→ビジャビセンシオ経由で目的地のプエルト・カレーニョ(以下PCR)。PCRはコロンビアの東部に位置し、目の前を流れる大河オリノコがベネズエラとの国境になっています。釣行地はそのオリノコ河に合流するビタ川という蛇行する河川。メインのターゲットはパヴォン(ピーコックバス=アイスポット・シクリッド)。オリノコ河に合流するこの水系には、ブラジル名トゥクナレ・アスーという最も大型化するピーコックバスがいるし、トゥクナレ・パッカやボルボレッタ(ポルトガル語で蝶)、現地でマリポザ(スペイン語で蝶。言語違いで同じ蝶なのに違う種類を指しているのがおもしろい)など、ベースとなるのが4種類。そしてそれらのメスチーソ(混血)がいろいろ。ルアーで釣れる他の魚種としては、カリベ(ピラーニャ)やアグホン(ビクーダ)、パヤラ(ペイシェ・カショーハ)、サルディナータ、ブルーアロワナなどがいます。

いきなりコロンビアの首都ボゴタでバゲージロストが発生。FRA・K氏のロッドケースがヒューストンに置き去りにされました。その中にはT氏のロッドも入っていたので、出てこなければ大問題。さいわい翌早朝の便で届いたので、めでたしめでたし。俺のバゲージロストの時と違って、荷物がヒューストンにあることがはっきりしていたので、多分大丈夫だろうとは思っていたけど、万が一なんて場合もあるし…。なにはともあれ1発目のトラブルはクリア。

ボゴタは大阪の4月上旬ぐらいの温度で心地よかったですが、プエルト・カレーニョ(以下PCR)は高温高湿。ついたその日は特に暑かったみたいで、体感的に40度ぐらいで湿度も80%以上の感じ。夜も28度ぐらいで寝苦しいので、ロッジの隣の部屋のコロンビア人の釣り人3人や、ガイドの元締めというかプロモーター的存在のアンドレス氏と深夜までロッジの外で雑談。アンドレス氏は俺のRYOGAやT氏のBLACKSHEEPを見て「俺もRYOGAを使ってるよ。でもこの黒いMILLIONAIREみたいなのは何だ?こんなのDAIWAにあったのか。知らなかった。生産終了?なんてこった。それとこのロープロファイルモデル…これがDAIWA Zか」などと興味津々。あまりに暑いのでみんな上半身裸のまま雑談していたのですが、そんなことができたのも、蚊がまったくといっていいほどいなかったから。ロッジの人によると、今はいないけど6~7月はひどいらしい。

今回釣行したビタ川は、ほんの少しささ濁り気味。場所によってはクリア。ワンドやラグナなどは止水ですが、その他は遅かれ速かれ流水域。ポイントはサンドバーや馬の背などの地形変化、水中に沈んだ倒木や岩など。しかし、そういう場所に必ず魚がいるわけではなく、いくらよさそうでもまったく反応がない場所も多数。たとえば水通しのよい岬の鼻に沈み岩と木陰なんて感じの、バスなら「いただき!」というポイントであってもなんにもいなかったり…。逆にいる場合は「なんでこんなところに?」という場所で連続ヒット。水がほとんど動かず、へんな泡や水垢みたいなのがたまっているような場所で炸裂したり…。小さいのも大きいのもまとめて出たり、8mぐらいの区間でボコボコ出たくせにそこから先はいくらよさそうなポイントが連続してもなんにもいなかったり…。パヴォンの気紛れ(?)はブラジルで何度も経験していますが、自分が過去に釣行したシングー川やパラナ川よりも気紛れ度(?)が高いように感じました。ちなみにシングー川ほどの魚影の濃さはなく、よさそうな場所でもまったく釣れないというか、魚がいないのは普通でした。魚影はわりとまばらな感じです。またパラナ川のパノラマ周辺ほど群れでいる感じもありませんでした。といってもわからんよなあ、ふつう…。

[ビタ川使用タックル-1]
Rod:RAW DEALER R67RW THE HARVESTER改(Whiplash)
Reel:DAIWA Z2020H(Daiwa)+PE#5+60lb Leader
Lure:DRIVIN'WIRE(Whiplash), AILE MAGNET(F)125mm(Duel), AILE
MAGNET DB(F)125mm(Duel), K-TEN BLUEOCEAN
BKF115(Tackle House), ATHLETE 120mm(Jackson)

[ビタ川使用タックル-2]
Rod:RAW DEALER R607RW THE HARVESTER改(Whiplash)
Reel:RYOGA 2020(Daiwa)+PE#5+50lb Leader
Lure:DRIVIN'WIRE(Whiplash)

[ビタ川使用タックル-3*小物遊び用]
Rod:RAW DEALER R67RR改 THE TRICKSTER Spinning(Whiplash)
Reel:AIRITY 2500(Daiwa)+PE#1.0+16lb Leader
Lure:LIVE WIRE(Whiplash), K-TEN BLUEOCEAN BKF90(Tackle House)

[オリノコ河使用タックル]
Rod:RAW DEALER R67RW THE HARVESTER改(Whiplash)
Reel:RYOGA 2020(Daiwa)+PE#5+50lb Leader
Lure:LIVE WIRE(Whiplash), AILE MAGNET(F)125mm(Duel), K-TEN
BLUEOCEAN BKF115&BKF140(Tackle House)

小マシなバスは直前に釣ってるものの、今回の釣行は自分にとってのDAIWA Z2020Hの実質的なデビューのようなものでした。以前ちらっと書いた通り、キャストフィールは過去最高といってもさしつかえないと思います。「LONG CAST」モード、ダイヤル10以下でのキャストにおいてはマグっぽさは減退し、たしかに遠心力ブレーキモデルのブレーキモードを「LESS」に設定してキャストした時のような心地よさがありました。もちろんサミングは必要ですけどね。
それとドラグ。かなり締め込んだ状態からの「チリッ」という初期滑り出し感も、過不足のないジャストな滑りも良好。ストッピングもなかなかのものでしたよ。このドラグフィールはRYOGA 2020も同様です。もっと大きく強い魚相手でも、まったく問題はないと思われます。あえて3日半ほど無給油で使いましたが、極端な性能低下はなし。RYOGAと半々の使用でしたが、トラブルはともに皆無。安心して使えました。この「安心」そして「信頼」というのは大きな要素だと思います。
パヴォンにはメインロッドとしてウチのR607RW、それの旧モデルR67RWを使用しました。これらのロッドはアマゾン水系の釣行で実績もあるし、ビタ川でもまったく問題ありませんでした。むしろ余裕かな。同行T氏はR703RSでも10lbクラスを獲りましたが、こちらも見ていて不安はありませんでした。ネグロ川の立ち木&倒木ぐしゃぐしゃエリアなら、R703RSは厳しいかもしれませんが、比較的障害物の少ないビタ川では問題ありませんでした。

上記のルアーは活躍してくれましたが、せっかく作っていったルアーはいずれもオーバーサイズ気味で、ビタ川においては効率のいい釣りはできそうにありませんでした。こいつらはいつかネグロ水系で…。笑止なのはT氏が持ってきていた日本で大人気のいくつかのバスやスズキ用ルアーたち。思わず人間が釣られそうな能書きたっぷりのミノーたちと、某実力派ソルトウォータープラグもどきのようなトップウォータープラグ。ミノーたちは標準装備よりやや大型のフックを装着されるとマトモに泳ぐことができず、ちょっとした流れでも回転して水面に飛び出てしまうダメバランス。トップは流水域では論外だったし、速めのロッドワークにもまったくついていけないダメ加減を露呈。いずれも1本の魚にも相手をされることなく、呆れたT氏によってクビを宣告され、日本に連れて帰ってもらえませんでした。ミノーは別のモノと取り替えるとすぐに魚が出ていたし、そのトップの直後に付けかえたT氏の自作トップ(失礼ながらあまりカッコよくないが、動きは○)にはちゃんと魚が出ていたことを考えると、能書きや世間的評価って一体何なのだろうと思いました。あ、そーか、わかった。止水域での使用に厳密に限定して開発されたルアーたちなのですね、きっと。読みが甘かった。自分もT氏もシロートでした。
それに対して、海外釣行で重宝するのはK-TEN BLUEOCEANやAILE MAGNET、ATHELETEなどの様々な状況に対応可能な、安定した性能を持ったルアーたち。もちろん国内でも重宝しますが、海外では特に頼もしいです。K-TEN BLUEOCEANとAILE MAGNETの動きの違いによって、魚の食いが変わったのもおもしろかったです。ある時はBLUEOCEANのフラットサイド特有の動きがよかったり、ある時はAILE MAGNETのグリグリっとした泳ぎがBLUEOCEANへの反応をしのいだりしました。少し小型を使いたい時にはATHELETEの120mmにしたり。ルアーのカラーはてきとーでいいと思います。キンアカでも出たし、キンクロでも出たし、イワシでも出たし、レッドヘッドでも、チャートバックでも、ブルーバックでも、恒例の全身ほぼブラックでも出ました。手前味噌ですが、DRIVIN'WIREはアマゾン水系のシングー川同様、パヴォンたちには実に好評でした。どうでもいいけどDRIVIN'はココディリロ(スペイン語でワニ。この水系で見たのはいずれもメガネカイマン)にも好評で、何度も追尾されました。同船のT氏に「ここのワニ、新家さんの飼いワニでしょ」なんて言われるほど、DRIVIN'を使うとワニが寄ってきました。もちろんさっさと回収して襲撃は避けたけど。あんなもん釣りたくないし。

ルアーはたいていの場合そのまま使わず、フックやスプリットリングの強度を上げてから使用しました。「バス」という名がついていますが、パヴォン(スペイン語でクジャクの意味)ことピーコックバスは、ラージマウスやスモールマウスとは異なるモノで、シクリッド、つまりカワスズメに属します。ティラピアに近縁なのです。そのパワーやスピードや運動能力は、釣ったことのない人でも尾ビレや腹ビレの大きさ、ラージマウスのようなボテボテ・メタボにならないシャープな体形から、何となく想像していただけるかと。小型のカンパチを釣ったことがある人なら、「ソレっぽい走りに急な方向転換が加わり、ジャンプが織りまぜられる」といえば、実感が湧くかもしれません。そのためバスやスズキ用ルアーの場合、純正フックやリング類を簡単に変形させられることは珍しくありません。上記ルアーの場合、フックやスプリットリングのセッティングを下のように変えて使いました。*変えてないモノもあります。

[パヴォン用]
DRIVIN'WIRE(Whiplash) Hook:Y-S21#1(Decoy) Splitring:高強度タイプ#4or#5
AILE MAGNET(F)125mm(Duel) Hook:ST-56#1(Cultiva),Y-S21#1/0(Decoy) Splitring:高強度タイプ#5
AILE MAGNET DB(F)125mm(Duel) Hook:ST-56#1(Cultiva),Y-S21#1/0(Decoy) Splitring:高強度タイプ#5
K-TEN BLUEOCEAN BKF115(Tackle House) Hook:ST-56#1(Cultiva) Splitring:高強度タイプ#5
K-TEN BLUEOCEAN BKF140(Tackle House) Hook:ST-56#1/0&#1(Cultiva) Splitring:高強度タイプ#5
ATHLETE 120mm(Jackson) Hook:Y-S21#1(Decoy),TREBLE RB-H#2(Gamakatsu) Splitring:高強度タイプ#4or#5

[小物用]
LIVE WIRE(Whiplash) Hook:ST-56#4(Cultiva),TREBLE RB-H#3(Gamakatsu) Splitring:高強度タイプ#3
K-TEN BKF90(Tackle House) Hook:ST-56#4(Cultiva),TREBLE RB-H#4(Gamakatsu) Splitring:高強度タイプ#3
*100mm以下の小型ルアーでパヴォンを狙う場合は、フックの大型化よりも太軸化を考慮したほうがいいでしょう。中太軸モノではST-56はけっこう信用できるフックですが、#4になると強度が下がってくるので、そんな小さなサイズを使わざるをえない場合にはST-66などをセットしたほうがいいでしょう。フックやリングを大型化や太軸化した場合には、必ず事前にフローティングテストやスイムテストをしておいてください。ルアーによってはフローティングモデルのはずが沈んでしまったり、ほとんど動かないドン臭いミノーになったりします。
なお必ずバーブレスにすることを強くお勧めします。今回、ひとりの釣り人がガイドの指にバーブつきのST-66を刺してしまうという事件があり、これとてもバーブレスにしておけばすぐに引き抜けたものの、あの大きなバーブのせいで、一旦指の肉を貫通させてバーブを反対側に出してからプライヤーで潰し、それから抜くという痛々しい処置を取らざるをえなくなってしまいました。

小物釣り用にとGR社H氏からいただいたDr.MINNOWは、持って行ったものの今回は出番がありませんでした。というのも、昼食のために立ち寄った中洲等では、Dr.MINNOWにちょうどよさそうな小型魚の姿をまったく見なかったし、全体的に見て魚影が濃い場所ではなかったので、つい使いそびれてしまいました。せっかくいただいたのにすみませんでした。近日山岳渓流のイワナに使います。どっちみち来年もどこかの辺境に行くつもりなので、その時にも使いますけど…。

ビタ川で自分が釣ったパヴォンのタイプは、4種類とそれらのメスチーソ(混血)。パヴォンの各種類の呼称にかんしては、日本の熱帯魚雑誌やブラジルの釣雑誌の特集記事などを見てみましたが、かなり混同されているので、魚類学の知識の乏しい自分としては、ブラジル釣行の際に覚えた名前をベースとし、今回見かけた、ブラジルでは釣ったことのないタイプはコロンビアの現地名で呼ぶことにしました。で、ここでは「アスー」「パッカ」「ボルボレッタ」「マリポザ」にします。
大きくなる順ではアスー(acu=ポルトガル語ではなく先住民由来のブラジル語で「大きい」という意味。側面に平筆で塗ったような3本の横帯。その隙間に細めの横帯があるモノも。*魚は頭を上にして、つまり縦にブラ下げた状態で、頭から尾に向かってのラインを縦縞や縦帯、背から腹に向かってのラインを横縞や横帯と呼びます。間違わないように!)。パッカ(パカというげっ歯類によく似た白い斑点を持つタイプ)。そしてボルボレッタ(borboleta=ポルトガル語で「蝶」。典型的なモノは尾ビレの付根の他に、体の側面に大きな眼状斑が3つ)とマリポザ(mariposa=スペイン語で「蝶」。ポルトガル語でも蝶の意味があるが、経験的にはブラジルの各エリアではmariposaといえば小型の「蛾」を意味する場合が多かった。側面には周囲を黄色や薄黄色に囲まれた黒色の断続的な縦帯があり、腹側にいくにつれて細くなる暗色の横帯が6本以上ある。熱帯魚雑誌でCichla intermediaと紹介されたことがある)が同じぐらいです。アスーの大きいものは80cm級にもなり20lbを超えるし、パッカも60cmを余裕で超え10lb以上になるようですが、ボルボレッタとマリポザは基本的に小型で、大きくても50cm強で4lb程度のようです。自分が釣った大型はアスーの血が濃い、パッカとのメスチーソ・タイプでした。一番大きくなる純アスーは残念ながら50cmクラスの小型のみに終わりました。
*スペイン語圏の人たちに「アスー」「パッカ」「ボルボレッタ」といってもまず通じません。これらはブラジルのアマゾン水系での呼称です。

ビタ川で釣ったパヴォン以外の魚は、白銀系でブラックスポットがあり胸のオレンジが鮮やかなピラーニャ(現地ではピラーニャはカリベと総称される。このブラックスポットのヤツはノタートゥスの仲間かな?)、アグホン(ビクーダ)、パイクシクリッド。延べ竿でピンクテイル・カラシンとサルディーニャ(これも総称)と極小テトラ。同行者の中にはサルディナータをカケた人もいるようですが、全部バラしたらしい。あーもったいなー。
最終日のオリノコ河では、ルアーでピラーニャ・プレタ(ブラック・ピラニア)、ピラーニャ・ナッテリー、ビタ川のと同種と思われるブラックスポットのピラーニャ、パヤリン(細いカショーハ。ドラド・カショーハと呼ばれるヤツか?)です。エサをつけた手釣りではピラーニャ・ナッテリーがよく釣れていました。パヤリンは自分が見つけたポイントに群れで入ってきて、それまで釣れていたブラックスポットのピラーニャの小群を追い出し、30分以上にわたりワンキャスト2~5アタックというとんでもない状態になりました。ウソみたいでしょ?でもこれは正真正銘の実話なのです。同行のT氏とFRA・K氏が証人です。俺はよくある南米釣行記みたいなウソや大袈裟は書きません(笑)。

釣りはさておき、今回の小旅行ではいろんな生物にも出会いました。中でもクロハサミアジサシが嘴を水面に突っ込みながら飛翔するシーンを撮影できたのは、個人的に大きな収穫でした。それとメシアナ島のヒオ・ジャカレ(ワニの川)で撮影に失敗したコンゴウクイナもおさえました。野生のホウカンチョウ(おそらくメスグロホウカンチョウ)やサカツラトキ(酒に酔って赤くなったような顔なので「酒面朱鷺」らしい)オリノコガンも。ホアチンことツメバケイは見かけませんでした。今回行ったエリアは雰囲気的にツメバケイの生息環境ではない感じがしました。どこかには住んでるのかもしれないけど…。鮮やかなオオムクドリモドキやキバラオオタイランチョウ(アマゾン水系ではベンチヴィーと呼ばれる)を含む各種タイランチョウ、ミナミカラカラ(現地ではカリカリと呼ぶようだ)、ミサゴ、クロコンドル、ヒメコンドル、クロハラトキ(ブラジルではクリカカと呼ばれている)、キボウシインコ、ミミグロバトなどもよく見かけました。ハチドリも1度だけ見ました。またしてもズグロエンビタイランチョウは撮影できず。車で走行中に4度、ボートで走行中に1度、前方を横切りましたが、カメラを構える間もなく消えていきました。ブロンズトキもまた撮りそこねたなあ。
哺乳類ではアカホエザルが印象に残ってます。ポイント移動中にジャングルエッジにいるのを自分が発見して、ボートを近づけてもらい撮影しました。アマゾン水系のジャングルではクロホエザルに近づいたらフン爆撃されましたが、今回のアカホエザルは威嚇するでもなく、おっとりと葉陰からこちらを眺めていました。それとカワイルカもけっこういました。水系的にはアマゾンカワイルカと思われます。たいていは数頭で行動し、ボートから10~50mぐらいの距離をウロウロしていました。釣りをしながらでは撮影は困難。思わぬ位置に浮上するので、おさえたいなら釣りを止めて本気で撮影モードに入るしかありません。釣りをしていたら不意に背後で「ブフッ」なんて水噴き音がするので気が散ります。少ないけどカピバラ(現地名チグイロ)もいます。目撃したのは1度だけ。それとオオカワウソも少数ながら生息しています。
甲虫ではクロコガネみたいなコガネムシ、小型のエンマコガネ、小型のカミキリ、ゴミムシの仲間など。ハチはブルーブラックに輝く、日本のクマバチより一回り大きいハナバチ(アマゾンでも見たし、カザフでもそっくりなのを見てます)やアシナガ系、チョウはアキレスモルフォを数度目撃。そしてもっと紫がかったやや小振りの同系のチョウも目撃。水辺に集まる黄色のチョウもいるにはいましたが、アマゾン水系よりはるかに少なかったです。その他、ようわからんチョウを数種。昆虫の数や種類にかんしては季節的な要因が大きいので、今回の乾季の終わりという時期には多くなかったのかもしれません。

外務省のホームページではコロンビアはかなりの危険度表示ですが、実際にはウソのような平穏さでした。首都ボゴタの街でも車の窓にはスモークが貼ってないし、ドアロックもいいかげん。塀の上にも電線や鉄条網や槍や割ったガラスびんなどがあまり見当たらないし、窓枠の鉄格子も少ないし、車はウインカーを出して曲がっているし…。これらは町の治安を推測する指標になります。滞在地であるPCRの町も軍(和訳すると「ジャングル旅団」て感じの名前)の拠点があり兵隊や軍警察の人間だらけだし、全体的に人々は穏やかで愛想もよく、熱帯の河畔の小さな町といった感じでした。昔はホアハウス(売春宿)がけっこうあったらしいが、それらの建物の多くは今や廃虚もしくは貧困層の住居と化していました。ま、オリノコ河畔にはいかにも悪党って雰囲気のイリーガル両替えオヤジがいたりはしますが、彼らは平然と軍警察のテント横で「仕事」してるし…(馴れ合いみたい)。それとタトゥー度がきわめて低いのも特徴でした。PCRではほとんど見なかったと思います。
帰りにボゴタの空港から一緒になった、コロンビア人の彼氏がいる京都在住の日本人女性の話でも「ボゴタの街中ではそんなにアブナイと思ったことはないし、基本的に平穏な感じ。唯一アブナイと思ったのはボゴタからバスで18時間ほどの某町に行った時だけで、そこではストリートが無法状態化していて、無事に50mも歩けそうにない感じでした」とのことでした。個人的な感想ではサン・パウロの路地のほうが数十倍キケンな雰囲気があります。PCRはベレンよりもずっと安全そう。過去に行った町と比較すると、PCRはシングー河畔の町アルタミラの小規模版みたいな感じがしました。野良犬がやたら多いのはどうかと思うけど、どれもおっとり気味。だからといってもちろん彼らに触ろうとは思わないし、モロに病気に罹っててヤバそうなのも何匹か見かけました。
こんなふうに危険のなさを書いてみたところで、PCRの町で泊まったのは兵隊や軍警察の人間が多い通り沿いのホテルだし、ボゴタの街で一泊したのは安全といわれる新市街ノルテ(「北」の意味。ついノルチと言ってしまう俺はポルトガル語訛り…笑)だし、出国前の晩にメシを食いにいったあたりもキレイな市街地だったし、いわゆる街の「裏の顔」を見るシチュエーションでなかったのも事実。人伝ての話では、ボゴタでも夜に豹変するストリートもあるとのことです。なにはともあれ、どんなに安全と思っても常に注意を怠らないほうがいいでしょう。そんなこと言われても、何に注意を払うのかよくわからないと思いますが…。今回自分たちが行動したルート上には、アブナさはほとんど感じられなかったというだけのことです。

さてコロンビアは中南米の「3C」として、コスタリカやチリと並んで美人産出国として知られています。自分はコスタリカやチリには行ったことがないので知りませんが、ボゴタの街の美人度はマジで強烈でした。こんな街があるのかと同行者と目をみはりました。日曜日の夜だったので街路には若い人たちがあふれ、半数以上がいわゆる美人さんといっていいほど。美人が多いということは、もちろん男も美男が多いわけですが…。しかし悲しいかな、女性は経年変化(劣化ともいう…笑)が激しいのも事実…。ボゴタ泊はコロンビア到着の夜だけだったので、ホテルの近くのバー(というよりビアガーデン的。入口にはなぜか警備員常駐)で飲んだ程度ですが、時間があればぜひとも街を散策して、いろんなものを見て回りたかったし、ボゴタ美人にスペイン語を習いたかったです。イヤ、別にヤラシイ意味でなくてね。

ボゴタは標高約2600mなので酸素濃度が薄く、日本から来た慣れない自分はビール3本程度でホロ酔いになってしまうし、その状態で大型スーツケースを引っ張り、ロッドケースと持ち込み手荷物を持って空港内を歩き回ると、ほんの少しですが息苦しくなりました。それはそれでおもしろい経験でした。

今回の小旅行においてもトラブルは少しありました。まずは同行者FRA・K氏のロッドケースがヒューストンで置き去りにされ、ボゴタに着かなかったこと。これは翌早朝5時ボゴタ着の便で届いたので釣りには支障ありませんでした。帰りの成田ではFRA・K氏と自分のロッドケースが不着?という事態が発生し、探してもらったりバゲージ・ロストの申請をしたりしているうちに、予約していた成田伊丹間の便に乗り遅れ。さいわいロッドケースは成田に届いていて、どこからか出てきたし、コンチネンタル航空が成田伊丹間の別便を無料でおさえてくれたので、少し遅れたけど無事伊丹に戻ることができました。また、受託荷物はアメリカでことごとく開封されていました。ロッドケースにつけていた鍵は2個とも壊されて棄てられ、蓋は適当に締められていました。中にはアメリカ運輸局の「調べさせてもらいましたよ」という紙が1枚。これまで何度もアメリカでトランジットしていますが、ロッドケースを開けて調べられたことはなかったので、鍵をTSA仕様にしてなかったのが壊された原因です。でもTSA仕様でウチのロッドケースに合うサイズってなかったような…。今後対策を考えないと。
自分はロッドを収納する際には、ロッドより少し長いアルミ製の突っかえ棒に固定してからケースに入れるので、少々おかしな蓋の締めかたをしてもティップが折れないようにしていますが、そこまで厳重にしていなかった同行者T氏は、1本だけですがティップを折られるトラブルにあいました。それと自分がロッドケースに貼っていた「和」を連想させるステッカー類が2枚剥がされていました。またか…せこい…。

ロッドケースの積み残しを避けるにはどうすればいいのか? ひとつは派手で目立つケースにすること。黒よりはオレンジや明色などの鮮やかな色のほうが積み忘れされる可能性は低くなるはず。それとできるだけケース全長を短くすること。これは積載スペースの関係上重要かもしれません。長いケースだと積載スペースの対角線を使用することになり、バゲージ量が多いフライトでは後回しや別便にされることがあるという話を聞きました。最悪、そのまま放っとかれることもあるとか。自分はロッドケースをステッカー類で賑やかにし、全長を180cmまでにするように心がけています。WHIPLASHのロッドがハンドル脱着式なのも収納寸法を短くするためです。自分はハンドル部までたわめてファイトするような釣りを除いては、トップからグリップエンドまでが完全1本モノである必要性は特に感じていません。完全1本モノのほうがジョイントの摺り合わせ作業もいらないので少し安上がりかもね(笑)。

ロッジのリカルド一家の皆さんや、給仕・炊事の人たちはみな親しみやすかったし、プロモーターのアンドレス氏はDUELとDAIWAびいき(というかそれらのディーラーもやってると言ってた)で、けっこう日本通の陽気なオッサンだったし、観光ガイド的なこともやってくれたアレハンドロ氏は、知的レベルが高くいろいろ博識で楽しかったし、釣りのガイドのミルトン、ホセ、グアノ(コロンビア版フレディ・マーキュリー)もみないい連中でした。それとボゴタから一緒になってしばらく一緒に滞在した、カナディアン・ビーバーことケリーさんも。いろんな事情が少しずつわかったから、もう1度ぐらい行きたいと思います。次回は気心の知れた、協調できる人間だけで行きたいですね。ビタ川でなくもっと南のトモ川もいいかな…。でも、あのロッジの人たちにはまた会いたいなあ。

[タックル以外の今回の装備]
ロッドケース:AIR LINER(Plano)
スーツケース:約90L *TSA仕様
タックルボックス:3060(Meiho)*1個だけ
機内持ち込みバッグ:ギアコンテナ-L(Mont-bell) *カメラバッグやリールを収納
(注意)リールを機内に持ち込むならラインを抜いておくこと。「ラインで首を絞める気か?」と因縁をつけられることも
コンパクト・デジカメ:1030SW(Olympus) *2GB Micro SDカード
デジタル一眼レフ:EOS50D(Canon) *予備バッテリー *充電器 *2GB CFカード3枚
レンズ:EF-S10-22mm F3.5-4.5USM(Canon), EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS(Canon)
ランディングツール:BOGA GRIP 30lb
水陸両用シューズ:ヘルベンダー(Adidas)
その他…:蚊取り線香、日焼け止め、虫よけ、デオドランドペーパー(シャワー後の爽快感&虫ヨケ)、レインウェアetc.
あったほうがよかったなあ:シャワーサンダル等(ロッジでうろつく時用)、コンパス

以下、写真類です


ビタ川の岸に見られる断層。人為かと思うほど階段状になっていました
ビタ川の中洲。場所によってはきれいな風紋が描かれていました
増水期の枯葉が蓄積されている。いつか石炭になるのかな


オリノコ河で見かけた溶岩系の地形。砂まじりの風や水で侵食され奇観を形成している
神の休む山という。オリノコ河にて
ベネズエラとの国境であるオリノコ河では、コロンビア軍が警戒に当たっています。2度検問を受けました


「ジャングル旅団」の兵士。検問を受けたが態度は紳士的だった
灰色のジュースとその元なるフルーツ。色は勘弁してほしいが美味でした
オリノコ河中洲での昼飯にはピラーニャも。久しぶりに食うピラーニャだが、やはりけっこう旨かったです


PCRの街路の肉屋さんの店頭には、毎朝ワタ抜きされたブタが2頭。もう1頭、和製の候補がいたけど(笑)
ミナミカラカラが樹冠から見下ろしています。現地ではカリカリと呼ばれています
ホウカンチョウの仲間。完全な野生モノを見るのは初めてです。ビタ川の岸で3度目撃


以前アマゾン河口域で撮影に失敗したコンゴウクイナ。危険を感じるとすぐにジャングルに逃げ込みます
ミサゴの仲間。かなりの数が棲息しているらしく、よく見かけました
クロハサミアジサシの捕食飛行。下側の嘴を水面に入れて飛ぶ。親子飛行も撮影に成功しました


ワニもかなり見かけました。目撃したものはすべてメガネカイマン。たまにルアーを追尾するヤツも
アマゾンカワイルカもかなりいました。ボートにつかず離れずでうろつきます。残念ながら空気孔しか撮れず
チグイロ(カピヴァラ)の子供。走って逃げ切れそうにないと、地面に伏せて物体と化します。まるわかりだけど


葉陰からこちらをうかがうアカホエザル。目撃したサルは1種のみでした
ロッジ周辺の家に飼われているイヌと、連れて帰りたくなるほどかわいいネコ
昼食に立ち寄った中洲で、延べ竿で釣ったピンクテイル・カラシン


エイも多数。現地ではアライア、もしくはラジャ。ブラジルではアハイアと総称されています
この水系にもいた、ラインの天敵アグホン。ブラジルではビクーダ。PEとリーダーのノット部を襲うことも
スタンダードなパヴォン「マリポザ」。せいぜい50cm強と小型だが、力もスピードもラージマウスなど遥かに凌駕


ブラジルでは「ボルボレッタ(蝶)」と呼ぶタイプ。右上のマリポザ同様大型化しないようです
ブラジルでは「パッカ」と呼ぶタイプ。げっ歯類のパカに似た白斑が特徴。アスーについで大きくなるはず
ブラジルで「トゥクナレ・アスー」と呼ばれるタイプ。これが最も大型になります


アスー系パヴォンvsココディリロ(ワニ)。ボイルやってたパヴォンがワニに捕獲された
同じタイプでも個体により、体色や斑紋に差異があります
アスーとパッカのメスチーソ(混血)。これが今回最大でした


メインルアー2種。115mmのペンシルベイトと125mmミノー
ビタ川で釣れたブラックスポットのあるピラーニャ。総称カリベ
オリノコ河で釣れたブラックピラニア。淡めで美しい色彩でした


岩場を次々に飛び移り、目指すポイントへ。日本人の身体能力の高さを見せておきました。オリノコ河にて
オリノコ河のパヤリン。ドラド・カショーハと呼ばれるヤツか?
パヤリンの顔。いわゆるパヤラより細く、背はブルーグリーンに輝く。群れで行動するので入れ食いになることも


オリノコ河を案内してくれたスタッフが連れてきていた子供たちにもパヤリンが釣れた
ビタ川およびオリノコ河での使用タックル
やはり歯形でザクザクになる


今回の残念賞。看板に偽りアリのヒューストン空港内の店。デブでブアイソでカワイクない店員しかいなかった