海外逃避行
2018 Sri Lanka vol.1
2018 Sri Lanka vol.1
スリランカ(前編)
旅程
[Flight]
Osaka/Itami(ITM) x Narita(NRT) — ITM 08:00 - NRT 09:20
Narita(NRT) x Colombo(CMB) — NRT 11:20 - CMB 17:10
Colombo(CMB) x Narita(NRT) — CMB 19:15 - NRT 07:35
Haneda(HND) x Osaka/Itami(ITM) — HND 11:30 - ITM 12:35
*成田〜羽田間はバス移動
*帰途はコロンボ発が6時間遅れたので、HND-ITMは別便になりました
今回の旅行もゆえあって詳細は書きません。行き先は内陸の山中の川と汽水湖。内陸の川はTOMO-H氏とTOMO-N氏と同行。その後おふたりは帰国。彼らを空港まで送った後、自分は現地ガイドと汽水湖に向かいました。
コロンボの空港でガイドと合流し、途中で夕食をとってから内陸部のKTGに。3時間以上のドライブで宿に到着。あれ?何とかレストハウスとちゃうぞ。宿が違うやん。どういうこと?と尋ねたら、当初予定していた宿はあまりにボロイので変更したとのこと。そういやその宿、外国人旅行者の口コミで「部屋にネズミのフンがあった」とか書かれてたなあ。
翌朝ガイドのオジサン(全然似てないけど叔父とのこと)と合流し釣行。メインの川からそれて細い道を通って支流へ。一軒の家の前に車を停めて何やら交渉。釣りをするにはこうして集落ごとで交渉(&お金)が必要らしい。林ごしに崖下の川をのぞきこむと、30cmぐらいの魚が泳いでいるのが見えました。「マシールだ」とガイドが言う。斜面を降りて川辺に立ってびっくり。なんと20〜40cmほどのマシールの群れが淵でトルネード状になって泳いでいました。「大きいのは奥の岩場にいるからそちらに投げろ」と言われ、手前のトルネードは無視して奥にキャスト。20cmぐらいのマシールがわらわらとスプーンをチェイス。しかし3投ぐらいで見切られる。目がいいせいか、ラインが通過するとモーゼの十戒状態(苦笑)。ラインを見せないようにスプーンの水面引きに切り替えると「じゅぼっ」と出ました。チビなのに泳力は強い。このサイズでこんなに引くか?というぐらいのパワー。TOMO-N氏(実はフライ界のスゴイ人)はフライで狙うが反応は希薄。するとガイドとオジサンがパンを投入。いきなりマシール乱舞! TOMO-N氏、コイにも使う食パンフライを投入するが、魚はティペットを見切ってUターン。手強い。日本の川のコイどもとは違う。TOMO-H氏はスプーンとスピナーで狙うが、アタリはあってもキャッチにはいたらず。自分は6〜7gの小型スプーンの水面引きで数本釣りましたが、大きくても40cmに満たない。深場には60cmほどのもいるが、それらは完全に警戒状態。ガイドもオジサンも「マシールはとてもシャイな魚だ」という。たしかにそう思う。でもなんでパンにはあんなに無防備に乱舞するの…?
車で移動し、次はやや広めの川に入りました。対岸の深場の底に大型がいるというので、重めのスプーンを沈めて底を転がす。それをくり返してるうちに、いいアタリがあり魚がぎらっと反転するのが見えました。たいしたサイズではないが、引きは本当に強い。見た目はニゴイちっくだがパワーレベルは明らかに異なる。ファイト中にこの魚は流れに乗って下流に走らないことに気づきました。のちにいろんな場所で釣ることになるのですが、いずれの場所でも、いずれの魚もそうでした。これは習性らしい。上がった魚は最初のポイントのモノと較べるとかなり大きかったが、それでもウワサに聞いてたモノにはまったく及ばない。撮影しているとエラからキモチのワルイ節足動物が数匹這い出してきた。マシールヤドリムシ?
「少し下流にはアラ(コブラフィッシュ)の大型がつくポイントがある」と言われ、岩場を歩いている時でした。何気なく軽く乗り移った岩肌がまったくグリップせず滑落。たいした落差ではなかったが、岩の出っ張りで右足大腿部を強烈に打撲。そして頭をかばって咄嗟についた右手を捻挫。歩行もキャストも厳しい状態に。しばらくしたら右手親指にピリピリ系の嫌な痛みが出てきて亀裂骨折を疑いましたが、さいわいヒビは入っていませんでした。2日ほどは左で投げてごまかしていたが、最終日にはかなり痛みはおさまり、右でも投げることができるようになりました。ちなみに右足大腿部の打撲はひどく、痛みが完全に消えるのには3週間以上かかりました。
後日マシールを瀬で釣った後、ガイドが「アンタはスネイクヘッドが好きらしいな。集落の人がアラのいる場所があると言ってる。徒歩ですぐだ。やってみないか?」と言う。そらもうもちろん!ということで、ジャングルの中の緩流帯に入る。あまり深さはないし岸際のブッシュ以外は完全なオープンなので、ミノーペンシルでやってみる。数投目にヒット。引かない。のたうちながら寄ってきたのは45cmほどのアラちゃん。そしてさらに10投ほどした後もう1本。どちらも小型でしたが、人生初のコブラフィッシュ。そらもううれしかったです。その後またしても水面でアタリがあり、やたらと銀色に輝く魚がかかりました。こいつも引かない。なんやろ?と思って上げると、なんとターポン。正しくはインドパシフィック・ターポンというヤツで、日本のイセゴイのお仲間。汽水ならわかるけど、こんな内陸部の清流に? ガイドは「このあたりにはマングローブ・ジャック(以下MJ)のいいサイズもいる」という。うーん、ウソかホンマかわからんが、ターポンがいるならMJがいても不思議ではないか…。ちなみに別の川ではフレッシュウォーター・ガーフィッシュというのも釣りました。これも全然引かない魚でしたが、ガイドによると「けっこうレア」とのこと。おぉ、すでに4目釣りや。
ルアーではマシールも他の魚もポツポツ釣れましたが、フライのTOMO-N氏は苦戦。キラキラ系のフライで瀬の中で1本釣ったのは見ましたが、とにかくやりづらそう。しかしパン風フライを沈めて使うという裏ワザで小型ながら連発。一方両刀使い(ルアーとフライの。女も男もという意味ではない)のTOMO-H氏(タダノリ氏の別称)は、ガイドのオジサンが口に含んで唾液(ビンロウを噛んでたから唾液が赤い)で湿らせたパンを有無を言わせずフライに練りつけられる(うげげっ)という辱めを受けました。しかもそれを投入させられるハメに。ところがそれをこのエリアにしてはいいサイズのマシールが食ってしまい、「恥ずかしい!でも楽しい!」と複雑な心境を吐露。けっこうなファイトの後にランディングされたのは、今回の釣行で一番の60cm級のマシール。最終日に自分が良型をミノーで釣るまでは、この辱めマシールが最大でした。
その最終日のマシールですが、流れのほとんどない淵で釣ったせいか、パワーはあるものの、俊敏な走りはなく、余裕をもってキャッチできました。今回の釣行で唯一ミノーを食ってくれたマシールでした。
どの日もポイント近くの集落で許可を得て、その集落の人たちに見張られながらの釣りでした。キャッチからリリースまでは30秒、場所によっては20秒と制限され、少しでも撮影に手間取ると視線がやや険悪になったり…。それでも釣りを許可してもらえる場所はいいほうで、敬虔な仏教徒の多い集落では「帰れ」と言われることもありました。彼らは魚にエサ(パン)を与えることによって功徳を積んでいるという考えで、その対象である魚を釣るというのは反宗教的ということになるのでしょう。それなら魚が棲んでる川にゴミを捨てるのはヤメなはれ…と言いたくなりますが、それとこれとは話が違うようで、魚にパンを与えた後は、その袋は丸めて川にポイなんてこともあるようでした。そんなところなので、現地人ガイドや土地の人なしではトラブル必至。ある町では、町並みが独特なので車から降りて写真を撮ろうとすると「ここでは車から降りてはいけない。車内からそっと撮れ」と言われたこともありました。理由は教えてくれませんでしたが、犯罪のニオイは感じられなかったので、おそらくヨソ者を歓迎しない排他的な町なのでしょう。また仏教徒とイスラム教徒の仲もよくないようでした。コーランの詠唱がけっこうな音量で流れていたりするので、イスラム教徒が多いのかな?と思っていましたが、実はそんなことはなく、「ムスリムの宗教的主張が強いだけ(仏教徒談)」とのこと。その後も何度もムスリムによる仏教徒やシンハラ民族殺害の話が出てきて、根の深さを感じずにはいられませんでした。後に汽水湖近くのモスクであったことは「後編」に記します。もちろんテロとか犯罪とかではないのでご安心を。
今回の旅行にかんするいっさいはフリーライドアングラーズさんによるものです。「スリランカの内陸におもしろそうな川があるんだけど行きません?」というお誘いに、自分とTOMO-N氏がのっかった感じ。
Special thanx to Tomo-N-san(Higashi-san), Tomo-H-san(Tadanori-san:FRA), Nimantha-san(Guide), Ojisan
Main Camera:EOS50D+EF-S 18-200mm
Sub Camera:TG5(Olympus)
Sun Glass:WALZ Lens Color:TVS(Zeal Optics), SERIO ELF Lens Color:TV(Zeal Optics)
★Tackles
[For Mahseer-1]
Rod:RAW DEALER R711RSL2 THE HEAVEN RAISER(Whiplash)
Reel:RYOGA 1016H(Daiwa) + PE#2 + Leader
Lure:CRUSADER 7g&17g(Daiwa), SPOON 20g Class, LIVE WIRE(Whiplash) etc.
*スプーンのフックはすべてシングルに交換。ジギング用フックなどにフェザーやティンセルを巻き、ザイロン+溶接リングでスプーンのケツのスプリットリングに接続。
[For Mahseer-2]
Rod:RAW DEALER R703RS2 THE CROSSFIRE BSV(Whiplash)
Reel:18 RYOGA 1016H(Daiwa) + PE#2 + Leader
Lure:CRUSADER 17g(Daiwa)
[For Mahseer-3]
Rod:RAW DEALER R707RX2 THE EXECUTIONER BSV(Whiplash)
Reel:RYOGA 2020H w/2014 Spool(Daiwa) + PE#3 + Leader
Lure:THUNDERBUCK RAM 107F&SP(Whiplash)
*現地ガイドによると、マシールにはゴールドのスプーンがイイとのこと。でもシルバーベースのヤマメカラーでも釣れたし、ガイド自身もシルバーで釣ってたし、あまり神経質になる必要はないような…。
*参考までに
受託手荷物総重量 ローリングサンダー 80L(North Face):約19kg, ロッドケースAIR(Nature Boys):約4kg
*今回のスリランカ航空の受託手荷物制限は余裕の30kg。
今回の昆虫ならびに節足動物による被害
サンドフライ(ヌカカ):10箇所ぐらい刺される ヤマビル:7箇所吸血
*とにかくヤマビルが多かった印象があります。ある川べりでふと足を見ると、右足の履物の上だけで5匹這ってたなんてこともありました。そいつらはみんな川に放り込んで魚のエサにしました。ちょうどその時、背後で少女のような悲鳴が聞こえたので「何事!?」と振り返ると、TOMO-H氏が必死の形相で右腕を這っていたヤマビルを振り払ってました。それにしてもよくまああんな声が出るもんだ。本人談「ワシ、ヒルやシャクトリムシが大の苦手で、思わず乙女のような声で叫んでしまいました」。
*あ、それと被害でもなんでもないけど、宿の裏庭を2mを少し超えたインドコブラがうろついてました。残念ながらカメラを構えた時には、川岸の薮に消えていました。
今回のその他のトラブル
1.滑落による捻挫と打撲:釣り初日の昼前にやってしまいました。最も痛みがヒドかった翌日午前中は、さすがに釣りを断念しました。右手の捻挫は、しばらくすると亀裂骨折のような痛みも出てきて、ヒビを心配しましたが、さいわいそういうことはありませんでした。痛みの中心が移動しはじめたので、これは意外に治りが早いかも…と思っていたら、内陸の川での最終日にはほぼ鎮静しました。鎮静するまでは、左で投げていたのですが、右手でリールのハンドルを回すのも辛いほど痛かったです。一方右足大腿部の打撲はしつこく、痛みが消えるまでに3週間以上かかりました。そんな足で川を渡ったり、急斜面を登ったり降りたりしていたわけで、我ながらつくづくアホやなあ…と。スリランカから帰国後、10日ほど日本にいて、すぐまたヨーロッパに飛ぶことになるのですが、そのヨーロッパ旅行中も痛みは残っていました。
2.お腹のトラブル:ワタクシはまったく何ごともありませんでしたが、TOMO-H氏は、やはりおしりの具合がよろしくなかったようで、宿の部屋のトイレでヒドイ音を発しておられました。トイレの天井が吹き抜けになって部屋と通じていたので、音が増幅されて部屋中に響くので大迷惑。しかも本人による音の解説付き。一方のTOMO-N氏はサ店のコップについていた雑菌にアタったようで、その夜おなかで雷が轟いたそうです。部屋のトイレで落雷するとみんなが目覚めるのでイカンと気を遣ったらしく、外のトイレに駆け込んだそうです。それはもう大変なことになったそうですが、悪いモノを出し切ったせいか、その後は元通り元気になられました。自分は胃腸が強くてよかったな…とつくづく思います。だってどこに行ってもTOMO-H氏はおしりが制御不能になるし、すぐに胃の具合が悪くなってゲーゲーする友人もいるし、そういうのを見てるとホンマに大変やなあ…と。あ、それと胃腸が強いだけでなく、ニオイに敏感というのも予防になってるようです。だってあのコップ、テーブルに置かれただけで、小学校のベランダに干してあった雑巾みたいなニオイがしたもん。