海外逃避行
2011 Ecuador
2011 Ecuador
エクアドル
旅程
[Flight]
Osaka(ITM) x Narita(NRT)― 所要時間約01:20 ― 次のフライトまで約05:45待ち
Narita(NRT) x Atlanta(ATL) ― 所要時間約12:25 ― 次のフライトまで約02:40待ち
Atlanta(ATL) x Quito(UIO) ― 所要時間約05:31
(Rest in Hotel)
[Flight]
Quito(UIO) x Lago Agrio(LGQ) ― 所要時間約00:30 …(Rest in Hotel)
[Drive]
Lago Agrio(LGQ) to Rio Agua Rico― 所要時間約02:00
[Cruise?+Walk]
Rio Agua Rico to Yusurika Lake― 所要時間約07:10+カヌー待ち02:25
[Fishing]
Fishing in Yusurika Lake(Rest in Lodge)
[Cruise?+Camp]
Yusurika Lake to Rio Agua Rico― 所要時間約22:00!!
[Drive]
Rio Agua Rico to Lago Agrio(LGQ)― 所要時間約02:00
[Flight]
Lago Agrio(LGQ) x Quito(UIO) ― 所要時間約00:50 …(Rest in Hotel)
[Flight]
Quito(UIO) x Atlanta(ATL) ― 所要時間約05:22 ― 次のフライトまで約05:00待ち
Atlanta(ATL) x Narita(NRT) ― 所要時間約14:40 ― 次のフライトまで約04:00待ち
Narita(NRT) x Osaka(ITM) ― 所要時間約01:20
いろんな魚を釣るのと、いろんな動物や鳥を見るために、11/3から14までエクアドルに行ってきました。今回のメンバーはFRA・K氏、ナオキスタン氏、NK・ハラ氏、フーフー・ホリオカ氏、MIZ谷氏、そして新家の6名。FRA・K氏は過去2回、MIZ谷氏は一昨年昨年と2回のエクアドル釣行経験がある他は初のエクアドル上陸でした。
今回は珍しく荷物トラブルはゼロ。エクアドルの首都キトのマリスカル・スクレ空港で全員の荷物がすべて出てきた時には、「今回の旅行は幸先良し」と一瞬喜んだのですが…。空港で現地旅行エージェントの石倉さん(女性・元マラソン選手)に会い、新市街(ノルテ)の宿に。翌日は早朝から国内線でラゴ・アグリオに飛ぶ予定なので、飲み過ぎないように宿の向いのバーで少しだけ…。ビールのアテに出てきたのはバナナチップ。なんでビールのアテに甘いモノが出てくるんやと思いつつかじってみると、なんと塩味。バーを早めに引き上げ就寝…といっても起床時間までは2時間半しかありませんでした。
キト到着翌日は宿で早い朝食をとった後、エクアドルのアマゾン・ベイスンに入る拠点の町ラゴ・アグリオに飛ぶため国内線の空港に。ところがここでトラブル発生。なんとオーバーブッキングで飛行機に乗れないという。しかしオーバーブッキングなんてのは口実で、我々の到着寄より先に他の乗客(白人多し)が押し寄せてたため、そちらを優先したにすぎない感じ。「あんたらの荷物は重すぎて積めないよ、人間も4人だけ」なんて言いだす始末。それならFRA・K氏と自分が残って次の便で…とか、車をチャーターして陸路8時間かけてアンデス山脈を下りラゴ・アグリオまで…などとも考えるが、結局夕方の便が空いてるとのことで、そちらで全員そろって飛ぶことに。で、時間がたっぷり余ったので、石倉さんをガイドにキト観光することになりました。
キトの観光といえば、やはりセントロ(旧市街)。ユネスコが「Patrimonio de la Humanidad(人類の文化遺産)」のと宣言して1978年に世界文化遺産に登録された街。まずは高さ41mの聖母像が街を見下ろすパネシージョの丘へ。曲がりくねった旧市街の道を車で上りつつ見かけるのは、主にインディヘナ(先住民)系の人たち。イヌもけっこう見かけるが飼い犬とも野良犬とも見分けがつかないのが多い。聖母像の足元から眺める街は、手前は人間の生活の匂いが漂う感じで、遠くは都会という感じ(←おおまかにですよ)。パネシージョの丘の後はサン・フランシスコ教会や独立広場、ラ・コンパニーア教会、歴史博物館などを見てまわる。地獄絵図の前でFRA・K氏の「この化物にチ○コを焼かれてる男はなんの罪を犯しましたん?」という質問はセクハラすれすれだが、まったく動じず答える石倉さんもお見事。それから市場にも行き、最後に赤道博物館(GPSで計測された正しい赤道は立派な赤道記念碑ではなく、こちらにある)に行き、動物の剥製や先住民族の暮らしの模型や、本物の干し首(一部撮影不可)などを見学してから、再び国内線の空港に。
するとまたしてもトラブル発生。カウンターの性悪風の女は「荷物が重いので乗客を5人降ろさないと積み込みできない。よってあなたがたは搭乗できない」なんてナメた発言。石倉さんの猛抗議にも「ダメなものはダメ」って感じで不可の一点張り。思わず「このクソ○マめ」と日本語で罵るも通じるわけないわな。これだから白人女は嫌いだ。白人女性がすべてそうなわけではないのだが、たまにこういうのがいて(サン・パウロでもモメたことがあった)、カラード(有色人種)を見下したり、自分が間違っていてもカラードに対してはかたくなに前言撤回を拒絶することがある。最終的には搭乗できたのだが、機内はガラ空き。なにが「5人降ろさないと荷物が積めない」だ…再び大いにムカつく。あのクソ○マめ。石倉さんとはここで別れ、エクアドル・アマゾン・ベイスンへの拠点ラゴ・アグリオへ。激しい交渉、お疲れ様でした。
キトからラゴ・アグリオへはアンデスの上から裾野へと下りる感じで約30分。空港に降りた瞬間、標高2800mにあり酸素が希薄なキトとは異なる、熱帯の高温高湿な気候に身をさらすことになり、一気に汗が流れました。空港で待つこと約30分、この先を案内してくれるガイドのカミーロ・モヤ氏が到着。最初の目的地サンクード・コチャへの出発は明朝なので、ここラゴ・アグリオで一泊。
ここで夜の間に買い出し(主に酒類:ビール30本以上&ラム4本)をすませ、最後のベッドで就寝。この先はロッジ泊とテント泊なので、ベッドで眠れて、川や湖の水以外で体を洗えるのは最後になる。
ラゴ・アグリオで一泊した翌朝は5:30からアグア・リコ川へ。この川をモーター付カヌーで6時間半ほど下ると、最初の目的地ユスリカ湖があります。町から船着き場まで、荷物を満載した車でぶっ飛ばして約2時間。そこで待っていたカミーロの兄ヘンリー氏たちと合流し、河原の砂浜で朝食をとり、一気にアグア・リコ川を下降。カミーロは陽気でよくしゃべる人物で、このガイドサービスのスポークスマンといった感じ。スペイン語はもちろん英語とオランダ語と先住民の言葉を使えるという。一方ヘンリーは寡黙で落ち着いた感じ。彼の表情や態度からは過去に軍隊経験があることが感じ取れるが、最後までその話をすることはなかった。ともに愛想はいい。ガイド側は調理担当者やロッジやキャンプでの留守番役を含め総勢6名。すべて先住民の血を引く血縁関係者でユスリカ村の出身とのこと。船着き場への道中ですでに爆睡してやがる怠けモノもいるが…。コイツは後に「バカボン」と命名してやった。
昼食のために立ち寄った砂浜では、ヌカカの群れが襲撃。かつてオリノコ川でもヌカカの襲撃をくらったことがあり、その時は痒みが2時間以内に消えたので、今回の襲撃にかんしてもタカをくくっていましたが、それは大いに間違っていたことが判明。いやもう痒みがしつこいのなんの。3~4日も続き、いやな腫れまで出てきて実にうっとーしいことに。ちなみに自分は蝶の撮影中に手足を30~40箇所やられました。虫よけ剤もあまり効果を示さず、肌を出さないことが唯一の防除策。たいていの虫よけ剤は汗で流れた途端に襲撃されるのですが、後にFRA・K氏が持ってた「SOLDIER'S CHOICE」というキャッチの入った虫よけ剤にはほとんど寄りつかないことが判明。しかしこの虫よけ剤、大丈夫なの? ディートはゼロとのことだが、肌に塗った後に残り続ける硫黄系の匂いは、なにかとってもイーヴルな成分を想像してしまう…。
ラゴ・アグリオの町を後にして、車とモーターカヌーで8時間と少し過ぎた頃、ユスリカ村近くのエクアドル軍国境警備隊基地のレーダー塔が見えてきました。基地の守備兵に用件を告げると、両側に銃を構えた護衛兵を従えた上官が現れて、少々の問答の末、「行っていいよ」ということに。さて、いよいよユスリカ湖だ。
と、思っていたら、カヌーはユスリカ湖への水路の入口に止まり、「この先の水路は水位が下がっているので、たくさんの人間が乗ってるとカヌーが進まない。飲み物と身の回りの荷物を少しだけ持って、山越えで歩いて行ってほしい」とのこと。たいした距離じゃなかろうとタカをくくって上陸し、ジャングルの中の小道をユスリカ湖へ。
ところが1時間歩いても出口は見えない。そうならそうと最初に言ってくれ。湿度の高いジャングルの中を汗まみれで歩くこと約1時間40分、やっと視界が開け、目前にユスリカ湖の水面が。対岸には小さくロッジが見える。これで一安心。
と、思っていたら、いつまで経ってもカヌーが来ない。どうやら水路で大苦戦してるらしい。そうこうするうちに空は夕焼けになり、やがてとっぷりと日は落ちました。仕方ないのでそこらの落ち葉や枯れ枝を燃やして焚き火。こうでもして煙を出さないと蚊の群れの襲撃をくらうし、真っ暗なジャングルに焚き火の灯りが見えたら、水路を遡上してくるカヌー側にも、我々の場所が確認しやすいはず。
たまに遠くで船外機の音が聞こえては消える。やはり水路で大苦戦してるようだ。やがて船外機の音とともに、遠くにガイドたちのヘッドランプの灯りが見えた。正直ホッとしたね。何も持たずにこんな場所で、焚き火のみで野営なんてやっぱりイヤだもん。いざとなりゃ仕方ないけど。我々歩兵部隊の到着から約2時間25分、やっと水軍が到着し、我々を収容してロッジに。
そんなこんなでしたが何とかロッジに入り、夕食を食べて、酒を飲んで、荷物を解体し、翌日からの釣りの準備。そして湖の水を汲み上げたシャワーを浴びて、一日の汗を洗い流してから就寝。
釣りの話をこと細かに書くとえらく長くなるので、てきとーにかいつまんで書くことにしましょう。
初日の午前中は浅場のトゥクナリ(アイスポット・シクリッド=ピーコックバス)中心。昨年この湖でも釣りをしたMIZ谷氏によると、大きなものはいないらしい。釣れてくるのはだいたい35cm程度。時々45cm級や稀に50cmクラスも。小さいとはいえ日本のラージマウスなんかとは別モノ(正しくは種族も全く違う)なので、スピードもパワーもケタ違い。ちなみにこの水系では1種類しか見ませんでした。そのトゥクナリに混じってタライラ(現地名:グアンチンチャ…と聞こえる)やピラーニャが釣れてくる。ピラーニャにはブラックとレッドとシルバーがいましたが、レッドといわれるのは一般的な種のナッテリー。シルバーは小振りな感じでしたが、ブラックとナッテリーの大きいものは30cm程度ありました。岸際の浅場でそれらを狙っている間に、2、3度ピラルクー(現地名:パイチェ)の呼吸を目撃したので、そのあたりをチェックしてみましたが反応はナシ。
午後は前年ピラルクーが見られたというエリアをチェック。ここでMIZ谷氏に1本目が出ました。同船していた自分も、初めて見るブラックウォーターの黒いピラルクーに感動。後に自分にもアタリがありましたが、刺さった位置がよくなかったせいかフックアウト。ピラルクーのフッキングにかんしては「運」の部分がきわめて大きく、偶然いい位置に刺さればいいのですが、そうでない場合は意外なほどあっけなく外れることも。しかも小型のカヌーの場合は船が動いてフッキングの力がかなり殺がれるので、特に「運」に左右される気がします。
さてこのユスリカ湖では1日だけ釣りをして、翌日にはトカゲ湖に行く予定でしたが、この水系の急な減水は、ユスリカ湖への水路が荷物と人間を積んだカヌーの侵入を困難にするほどであっただけでなく、朝夕の船着き場の水位の低下を見ても相当深刻なものになってきました。ガイドに言わせると、おそらくトカゲ湖に行くのはかなり困難だろうとのこと。行くのは行けても、相当時間をくうだろうし、釣りができるかどうかも不明。で、協議の結果、今回はユスリカ湖に留まることにしました。
さいわい翌日には午前に1本、午後に1本のピラルクーを釣ることができましたが、惜しいサイズを2本バラしてしまいました。うち1本はエラ洗いをしたので姿を見ましたが、なかなかの大型魚。ところが3mほどの流木(片端は湖の泥の中に埋まってた)に絡みこまれアウト。もう1本は来た瞬間にタダモノではないことが感じ取れたド級。余裕をもってドラグを突破するだけで姿は見えず。ただ水中で体をくねらせた際に水の動きで頭と尾の位置がわかり、体を曲げてのたくってるのに、その間が2mはあったので、それから推測すると大袈裟なことは一切抜きにしても230や240cmはあったでしょう。慎重にやり取りするもフックアウト。帰ってきたルアーを見ると、リップが消失して、腹の太軸#3/0フックが「くにゃっ」と伸びていました。自分要因でバレたのではないので、相手の強さと大きさに敬意を表するしかありませんでした。やはりフッキング位置を決めるのは神サマだ。今回は神サマに気に入られなかったらしい…。
後日は雨もあり、そのせいかピラルクーの活性はダウン。トゥクナリとかは元気だったけど。ちょっとしたおもしろからぬこともあり、我々の釣る気もダウン。
尻すぼみで迎えた最終日は、午後には荷物をパッキングしてラゴ・アグリオ目指して帰らなければならないので、釣りは午前中のみ。ここで大きなトラブル発生。自分たちのカヌーは湖の隅っこのワンドにいたのでわかりませんでしたが、まずはK氏たちのカヌーが銃で武装した兵隊に護衛された国立公園のレンジャーによって拿捕。続いて近くにいたナオキスタン氏たちのカヌーも…。まだ十分時間があるのにカヌーがロッジに向かって船外機で走って行くので、なんかおかしいなあとは思っていたのだが…。
自分たちが戻った時にはレンジャーや兵隊も帰った後。K氏たちに事情を尋ねると、国立公園内で釣りをする許可を事前に環境省にとっていたのに、レンジャーたちは「そんな話は聞いていない」の一点張りで、許可証を見せても「そんなモン知るか」って態度。そしてガイドのリーダーのヘンリー氏を自分たちのベースまで任意同行させたという。実はMIZ谷氏は昨年レンジャーとトラブった経験があり、その際には国立公園内の入場許可証は持っていたものの、その許可証に「釣り」という項目が明記されていないといちゃもんをつけられ、すべてのタックルを没収されていたのです。その時もレンジャーは武装兵を連れており、いかなる抗議も耳にせず、釣具をすべて没収して帰ったそうです。今回現れたレンジャーの人相を聞くとおそらく同一人物だろうとのこと。MIZ谷氏と自分が乗ったカヌーも見つかっていれば、「お前去年のヤツやないか。また今年も来やがったのか!?」とばかりに、問題はさらにこじれたのではないかと。さいわい今回はタックルの没収はなく、ヘンリー氏が事情聴取のために拉致されたのみ。彼は「大丈夫だよ。ちゃんと許可とってるんだから…」といって彼らとともに行ったらしいが、やっぱり心配だ。
とにかく我々は町まで戻らなくてはならない。荷物をパッキングしてカヌーに積み込み、細く曲がりくねった流れ出しを伝ってアグアリコ川へ。倒木や流木で大苦戦し、腰まで水に浸かって座礁したカヌーを押したり、ジャングルのオーバーハングに突っ込んだりしながら約2時間20分、やっとこさアグアリコ川に達し軍駐屯地の脇に。
まずは駐屯地の見張り兵に帰る旨を告げると、またしても上官に報告。行きは比較的すんなり行かせてくれたものの、帰りはすごく不穏な雰囲気。誤衛兵のひとりはいつでも使える位置に銃をもってるし、上官はレンジャーからよくないことを吹き込まれたのか、黙って通すような感じではない。ガイドによる事情説明と「ちゃんと許可は得てるんだ」という訴えにも、「オレの知ったことか」という態度を崩さない。押し問答にけっこうな時間を費やした後、我々のパスポートNoを記した紙を受け取り、やっと「行っていい」ということに。正直ホッとしました。この時上官が連れていた護衛兵は、2名ともレンジャーに同行してユスリカ湖に来ていた人物だったという。
ガイドたちは町まで帰るのに必要な燃料と、今晩の野営用のテントを取りにユスリカ村へ。その間、我々は駐屯地からすぐの民家で遅い昼食。村から戻ってきたガイドと合流し、一路ラゴ・アグリオへ。下りでも6時間30分かかったわけだから、帰路の上りでは7時間ではすまないだろう。しかもエンジンは絶不調。時すでに夕方前。いったいどうなる? そしてまたしても駐屯地にあいさつ。今回は上官を呼ばずにそのまま通してくれました。見張り兵に向かって軽く手を振ると、ほんの少し口元を緩めて、こちらに向かって手を上げた。
駐屯地を去りラゴ・アグリオの町を目指すが、エンジンはサイアクの状態で、少し走ってはエンストを繰り返す。ユスリカ村からなにほども行かない場所でついにプスン。しかたがないのでここで野営。エンジンの不調のみならず、我々の食料も欠乏し、夕食はスープのみ。ホント、イイ感じで尻すぼみやわ…(苦笑)。自分たちだから笑って済むが、フツーの釣り客ならブチ切れかもね。スタッフたちは我々が夕食をとってる間もエンジンの修理にあたっているが、どうにも手のほどこしようがないらしく、「エンジンは明日直す。時間的余裕を持つために、明日は3時に起きて町に向かう」と作業休止。もはやなるようにしかならぬ。最後のラム酒を空けて、わずかな睡眠を取るためにテントの中へ。
翌日エンジンに奇跡が起こりました。連日の不調がウソみたいに快調そのもの。どこをどう直したのが知らない(経時変化的自然治癒の可能性アリ)が絶好調。走行中に夜が明け、熱帯の朝が来る。なんと清清しい…!
何事もなく出発した船着き場に戻り、そこから車に荷物を積み込み、ラゴ・アグリオの空港へ。そこで事情聴取のために拉致(?)されていたヘンリー氏と再会。「大丈夫だった?」と聞くと、「我々は事前にキトの環境省に許可を得てるので問題ない」とのこと。しかし「NO PROBLEM」は彼らの口癖。レンジャーや軍との不穏な空気は払拭できない。まあでも何はともあれ無事でよかったね、ヘンリーさん。
キトと違って感じよく国内線に搭乗し、30分のフライトで首都へ。ところが霧が深く着陸困難とのこと。キトは中央アンデス山脈の高い峰に囲まれた標高2800mの街なので、濃霧が出やすいようだ。2度目のトライで無事着陸成功。降りられない場合はラゴ・アグリオに引き返すなんてことになりかねなかったので一安心。
空港で石倉さんと合流し、新市街の宿へ。ひさしぶりに熱いシャワーを浴びて、フツーのベッドで就寝。なんかえらく長くなったのでそこから先の話は割愛。では、恒例の魚以外の写真もどうぞ。
使用タックル
●ピラルクー(現地名パイチェ)-1
Rod:SERPENT RISING RETRIBUTION TASK FORCE XSR○○○GX-TF THE AERONAGA_test-1(Whiplash)
Reel:MILLIONAIRE BLACKSHEEP 300(Daiwa) +PE#8G + 150lb Leader
Lure:ORIGINAL FLOATING MINNOW 155mm&160mm各色(Kunitsugu Niinomi)
*初回テストモデルで臨みました。テーパーデザインを含めブランクスに若干の変更を加えたいので、2012年もテスト続行です。発売は2013年になる予定。このモデルにかんしては、通常モデルの他に特別仕様みたいなことも少数だけやってみたいと思ってます。現在ソレにかんしてあれこれ考案中です。内容は2013年の発売まで明かせませんが…。特別仕様みたいなことは全部ボツったりして(笑)。
*ルアーの色は特に関係ありませんでした。金系でも銀系でも黒系でもアタリました。
*自分は「ピラルクーは自作ルアー以外では狙わない」と決めている(バゲージロストなどの特殊な場合を除く)ので自作モノで通しましたが、他の人たちはK-TENブルーオーシャンの175mmやスーパーシャッドラップ等を使っていたようです。安易なので自分はやりませんが、ピラルクーはエサ釣りなら生き餌でも魚のブツ切りでも、けっこう簡単に食ってきます。今回も同行者に釣れたのを目撃したし、過去何度もブラジルでそういうシーンは見ています。エサ釣りにかんしていうなら、とてもじゃないが神経質な魚とは思えませんね。
●ピラルクー-2
Rod:ROUF EXPEDITION 83改75 BAITCASTING仕様(Zenaq)
Reel:MILLIONAIRE BLACKSHEEP 300(Daiwa) +PE#8G + 130lb Leader
Lure:ORIGINAL FLOATING MINNOW 155mm, ORIGINAL SINKING PENCIL 160mm(Kunitsugu Niinomi)
*ROUF EXPEDITIONは3ピースのコンパクトモデルです。ZENAQさんの好意により、正式な発売に先駆けて使わせていただきました。ROUF EXPEDITION 83改75モデルは自分の用途に合うように、特別にショート化&ベイト仕様(しかもコルクグリップのセパレートタイプ・ハンドル♪)にしていただいたモノです。でも残念ながら、こちらのタックルではピラルクーとのファイトはありませんでした。あの硬い口にフックを叩き込むには、ちょっと軟らかめかも。ブランクスは本来ツナロッド系です。ド級のタイメンやナイルパーチ等に好適かも。どっちも釣ったことないけど(笑)。
●アイスポット・シクリッド(現地名トゥクナリ)-1
Rod:RAW DEALER EXTREME EDITION REX601HX-G THE OUTRAGEOUS(Whiplash)
Reel:DAIWA-Z2020(Daiwa) +PE#4G + 50lb Leader
Lure:DRIVIN' WIRE, LIVE WIRE(Whiplash), AILE MAGNET 105F(Duel)
*今回のような大きくても50cm強のトゥクナレ相手には、当然のことながら余裕がありすぎました。
*ルアーの色は特に関係ありませんでした。派手でも地味でもアタリました。視認性で選んでイイんじゃないかと。
●アイスポット・シクリッド-2
Rod:ROUF EXPEDITION 67 BAITCASTING MODEL(Zenaq)
Reel:DAIWA-Z2020(Daiwa) +PE#4G + 50lb Leader
Lure:DRIVIN' WIRE(Whiplash), WOOD CHOPPER 5/8oz改(Luhr Jensen)
*ROUF EXPEDITIONは3ピースのコンパクトモデルです。ZENAQさんの好意により、正式な発売に先駆けて使わせていただきました。35~50cm程度のトゥクナレ相手には余裕をもって対処できました。ちゃんと粘って魚を獲れる、ミディアムヘヴィクラスのバスロッドという感じです。一般的なコンパクトな仕舞のロッドの性能に不満を感じている方には朗報になるモデルかも。ちなみにスピニング仕様も出るはずです。
*他に大型ナマズ用にSLEDGE HAMMERのテストモデルを改造した竿と、SALTIGA Z30T(Z40と同サイズでベイトアラーム付のUS仕様)を持ち込みましたが、対象魚がいなかったので出番なし。ルアーによる小物遊び用のライトスピニングも出番なしでした。
その他装備など
Tackle Box:VS3060(Meiho) *VS3060一箱にトゥクナレ用もピラルクー用もその他用もすべて詰め込みました
Landeing Tool:Boga Grip(Esta Boga)
Main Camera:EOS50D+EF-S 18-200mm, EF-S10-22mm(Canon) *今回はEF-S10-22mmは一度も使いませんでした
Sub Camera:1030SW(Olympus)
Sun Glass:CEREBRO Lens Color:TVS(Zeal Optics), MARDOC-X Lens Color:Smoke(Bouche)
参考までに
受託手荷物総重量 ローリングダッフルバッグ100L(Mont-Bell):約19kg, AIR LINERロッドケース(Plano):約6kg
ロッドケース全長:約155cm
*デルタ航空超過料金なし規定値:全長158cm以内
*3辺合計もJALの203cmをクリア
*いずれも規定値内におさめたので、国際線の超過料金はゼロでした
*エクアドル国内線UIO~LGQの片道のみ超過料金を取られました。帰りは係員のおねーちゃんがオマケしてくれて無料♪
今回釣れた魚(ルアー)
パイチェ=ピラルクー(6名で4本…最大210cm byナオキスタン氏)
トゥクナリ=アイスポット・シクリッド(多数:25~50cm強)
ワンチンチャン=タライラ(多数:25~45cm)、トピードパイク・カラシン
ピラーニャ・ナッテリー、ピラーニャ・ネグロ、シルバー・ピラーニャ(銀色で頬がオレンジ。小型。現地通称シルバー)
カチャマ=パクー(13~17lb:3枚:ハラ氏、ホリオカ氏、ナオキスタン氏)、オスカー(FRA・K氏)
ピンタイージョ=タイガー・ショベルノーズ(2本:新家)、オキシドラス?(ホリオカ氏・注:スレ掛かり)
今回釣れた魚(エサ)
パイチェ=ピラルクー(1本:ホリオカ氏)、ピンタイージョ=タイガー・ショベルノーズ(1本:MIZ谷氏)
ピラーニャ・ネグロ(1枚:ハラ氏)、エロンガート・ハチェット?、不明小型カラシン
*ロッジの冷蔵庫内で立派なエロンガータ・ピラーニャを発見。この種もいるらしい。めっちゃ釣りたかった
今回自分たちを悩ませたモノたち
自然の中に入るわけですから、当然昆虫や節足動物などによる咬傷や刺傷、皮膚下への侵入によるアレルギー反応は覚悟の上。しかし、面倒臭いので執拗なまでの対策をやらないのも自分のクセ。時たま露出部に昆虫忌避剤を塗るのと、夜は蚊取線香をつける程度。で、当然あれこれやられるワケですが、以下にそれらを列挙してみます。こういうのがイヤなら、熱帯ジャングルには行かないことです。
●蚊
当然のごとく刺されましたが、季節のせいか場所柄なのか、あまり多くありませんでした。気がついた範囲では3種。ひとつはユスリカ湖にむかうジャングルの小道で刺しにきた種。これはヒトスジシマカ程度の黒っぽいヤツ。夕方から夜にかけては暗褐色のと褐色のと2種目撃。夜だったので見ることはできませんでしたが、野営した砂浜では小用の際に顔の回りを飛び交っていました。どれも意外にアトを引きませんでした。これなら日本のトウゴウヤブカの方がキツイ。気になるアノフェレス(ハマダラカ)は確認できず。
●ヌカカ
主に砂浜でやられましたが、釣りをした湖沼でもやられました。極めて小型で黒いヤツ。とまってしばらくすると、かすかにチクッとします。オリノコ川でやられた際には2時間もすれば痒みは消えましたが、今回のは刺跡も痒みも3日ほど持続。かなりしつこかったです。昆虫忌避剤で一時的に撤退するが、蚊よりも鈍いのかすぐにたかってきました。
●ハチ
偶然テーブルに肘をついた時にそこにいたので、チクッとやられました。それとなにか手にとまったので何気なく払うとチクッ。払った手に針を突き立ててもがく小型のハチが…。そんな感じで計3回刺されました。痛みの程度と持続性はミツバチ以下でした。
●アリ
カヌーの上や山道、ロッジの板の間、いたるところで咬まれました。キツイものにやられると思わず「イテッ」と飛び上がりそうになります。痛みの持続性はなし。でもブラジルのシングー川でやられたモノほどキツイのはいなかったなあ。1匹だけケツで刺すアリにもやられました。コイツはハチ系の痛みで、上記のハチよりも痛みが倍ほど持続しました。なおロッジ裏のジャングルではヤバそうなアリが行進してたし、全長2cmほどのかなり強力そうなのもいました。
●ダニ
ジャングルの小道や釣りをしている際には数カ所しかやられませんでしたが、ユスリカ湖からアグア・リコ川へ続く、細く曲がりくねった水路を下る際にやられました。カヌーの舳先で操船補助をやってた時に、何度も岸からハングする木の中に突っ込んだので、その際に樹上から降ってきたらしい。ヒザ裏をやられなかったので、きっと上から降ってきたのだろうと。脇腹も10箇所ほどやられましたが、自分はボクサーブリーフをはいていたので、腰と太股のゴム部を中心に20箇所ほどやられました。恥ずかしながらサオにも2匹侵入。FRA・K氏は尻とタマをけっこうやられ、MIZ谷氏は上半身をけっこうやられ、さらにパンツ内に少なくとも100匹以上侵入された模様。小型カヌーで現地スタッフのスムースな操船で水路を抜けた人たちは、ほとんどやられなかったみたい。痒みはムクインほどではなく、持続性も半分程度。ムクインが7~10日ぐらい痒いのに対し、今回のは4日程度でほぼ沈静化しました。かつてムクインに苦しんだ自分にとっては恐れるに足らず(←ウソ。できることならやられたくない)。腫れ方も異なり、ムクインよりもプツッと尖った感じになり、先端に水疱のようなものができたりします。なお沈静には個人差があるかもしれません。ムクインほどではないにせよ、跡はしばらく残る(多分1~2カ月)ので、当分明るい場所では裸になれない体に…。
●日焼け&??
移動中にズボンの裾をめくっていたら、日焼けは当然ですがおかしなことになりました。左足の向こうずねを境にふくらはぎから足首にかけて、全体に赤くなり、そこにきわめて小さな赤い点が無数に。痒くはありませんでしたが、ひどい日焼けのようにヒリヒリして、3日ほど表面的な痛みが続きました。痛みが収まったと同時に赤斑は消え、皮がピリピリとめくれて、イグアナの脱皮みたいに…。右足の甲にも同様の湿疹(乾いているのに湿疹とはこれ如何に?)。足の甲が同様の症状になるのは、ブラジルでも数度経験しています。こちらもやがて皮がめくれます。
現地で買った物など
自分は基本的にお土産類はほとんど買わない人なので、知人等へのお土産はごくわずか。現地のスーパーマーケットでエクアドル産の板チョコ(マラクジャ風味など)とか、メルカド・デ・インディヘナでちょいと雑貨とか…。まあ、干し首レプリカは友人に頼まれてたから1個だけ買って帰ったけど、赤道博物館で見た18ドルのレプリカは本物より気味悪く、こんなモン部屋にぶら下げてたら祟られそうなのでパスしました。
で、自分用にはキトの大きな本屋さんで「AVES DEL ECUADOR (エクアドルの鳥)」というガイド書と「LIBRO ROJO DE LOS MAMIFEROS DEL ECUADOR (エクアドルの哺乳類のレッドデータブック)」を購入。$59.90と$30.00で合わせて$89.90でした。値段はともかく、帰りの手荷物がぐんと重くなりました。もう1册以前から欲しかった「サウスアメリカの鳥」という本も見かけましたが、あまりに重くなるのと、$130というお値段のため断念。こちらは次回に。