Monthly Whiplash

vol.204

Sep.2023

月刊「WHIPLASH」Sep,2023 Vol,204
この雑記は適当にダラダラ書いているので、前回の原稿を渡した日(だいたい各月23日頃)の翌日から、約1カ月のことが出ています。今回の場合は7月25日から8月24日までです。

山岳渓流

8月になって今年初の山岳渓流に行ってきました。水温がミョーに高く、そのせいか軽い追いはあっても食いはよくなく、けっこう苦労しました。さいわい最初の沢できれいなアマゴを2本と別の沢でイワナ4本。まあまあのサイズの黒いイワナも1本釣れたのですが、写真を撮る前に水たまりから脱走。釣果はいまひとつでしたが、下界とは異なる、山の清涼感を味わえました。
帰路は琵琶湖によって、新規ケタバスポイントを探索。ここなら入りづらいので人はなかなか来ないだろう…という場所をいくつか見つけました。そのうちのひとつでは対岸をキツネが走ってた(笑)。どんな釣りでもそうだけど、小規模な場所を公開しまくるのはほどほどにしてほしいですね。


[当日使用タックル]
Rod: SILVER CREEK STREAM TWITCHER 48ULB (Daiwa)
Reel: SILVER CREEK AIR TW STREAM CUSTOM(Daiwa)+ Fluoro 3.5lb
Lure: SILVER CREEK MINNOW DART CUSTOM 48S (Daiwa), EMISHI 50S(Ito Craft)

「まあ、こんなもんだろう」とてきとーにフロロを巻いて臨んだら、キャスト時にわずかにラインが膨らんだだけでスプールにかみ込むトラブルが多発。このリールはワンプッシュでレフトサイドプレートが外せる構造なので対処はやりやすいけど…。で、徐々にラインを短くしてトラブル解消。PE使用時よりもライン巻き量に神経質な気がしました。で、なぜPE++リーダーでないかといえば、この季節の山岳渓流、特に藪沢に張り巡らされた「クモの巣」対策。山岳渓流をやったことのない人には、このうっとーしさは想像つくまい。PE+リーダーでやるとそのノット部分にクモの巣玉ができるのが難点。フロロやナイロン直結なら、その玉をしごいてルアーとの結節部まで移動させ、そこでラインをカットしてスナップに結び直せばいいのですが、PE+リーダーとなるとライン同士の結節をやり直さないといけない。これが非常に面倒。シンプルな単線オルブライトノット改とかでも、スナップに結ぶよりは数段面倒。しかももちろんリーダーの途中にもクモの巣玉はできる…。フロロやナイロン直結でもあちこちにクモの巣玉ができるし、クモの糸の粘着力でフックがルアーに貼りついてフックアップしなかったりということはあるが、PE+リーダーよりはマシかと。

WAKE THE DEADの進行状況

WAKE THE DEADは、ABS切削2ndモデルのスイムテストに移行。1stとはウェイトの配列やサイズを変更して、また自分でパーティションなどの内部構造を作りました。2ndモデルはリップ基部に小さいながら空気室を設置(←この作業が面倒だった)。浮き姿勢と泳ぐ深さを調整しました。1stアクションサンプルより完成度が上がり、想定したものに一歩近づきました。後部ウェイトボールが移動する内部構造も図示できたので、3rdはそのあたりも切削加工済みの、よりインジェクションモデルに近いものになりそうです。まだ外見はぼんやりとしか公開できませんが、一般的なウェイクベイトよりは随分一般的な(ミノー+シャッド)÷2系ルアーに近い形態です。断面も円に近いわけではなく側扁系です。

SWAYWARD-16があちこちでいい魚を連れてきているのはうれしいことです。「まさかWHIPLASHがリップレス・ジョインテッドミノーを?」と思われたでしょうし、今でも自分につきまとう「ライギョ釣りの人」というイメージは、海外においてはほぼカンケーないのですが、日本ではABSルアーをリリースする際にはマイナスとして働きかねません。「ライギョ釣りの人にバスやシーバスが釣れるルアーなんて作れるわけない」という奇妙な先入観により、メディアには完全無視(広告出さないからってのもあるけど…笑)されるし、釣り人にも関心薄。そんな中で関係者や友人がいい魚を釣ってくれているということは、些細なことであっても、作った本人以外が使ってもしっかりした実績を積んだ例として認識してもらえます。バス、スズキ、コクチの次はイトウやな (笑)。ヒグマには十分気をつけて頼むよ。
この手のルアーにかんしては、もっと大きいのを作ってほしいという声もいただきましたが、それをやる確率は今のところ低いです。むしろやや小型化するほうが現実的かな。いや、何とも先のことはわからないか…。

完全個人用のウッドルアーもいくつか製作中です。バルサ材ではないし、完全手削りだし、構造線は1.6mmハードワイヤーなので、その曲げ加工も含め、製作にはけっこう力が要ります。これらはいつかあの地に戻って、あの魚を手にするために。この手のルアーを作るのは約10年ぶりか…。これらのルアーをその魚が食ってくることはまず間違いありません。問題はそこから先です。当時のモノより「そこから先」の部分をいろいろ考えて作っています。

台風7号

盆に台風7号がすぐ近くを通りました。神戸市西区に上陸したので居住している宝塚は東側。ウチは昔から13日に迎え火を焚き、15日に送り火を焚くのを習慣としているのですが、この台風のため自分が知りうる限り初の16日送り火となりました。世間的には送り火は16日が定例らしいのですが、ウチの場合は物心がついた頃から15日と決まっていたので…。そんなわけでご先祖様には例年より1日多く滞在していただきました。ワタクシのちゃちな手料理のお供えですみませんでした。まあ一番大事なのは気持ちだからね。
先日、古い友人と話をしていて気づいたのですが、ウチではキュウリ馬やナス牛などのいわゆる「精霊馬(しょうりょううま)」を作った記憶はありません。で、「しょうりょう」という言葉がつく身近なモノといえばショウリョウバッタ。ふとキュウリ馬の姿がショウリョウバッタに似ているのでそう命名されたか?と思いましたが、このバッタは盆の頃に墓地の草むらなどで見かけることから、そういう名称になったという説が有力だそうです。精霊流しの「精霊船」のカタチに似ているからショウリョウバッタという説もあるようです。

元々盆には釣りをしないことにしていますが、今回も「殺生はいけないけど、殺生の道具になりうるモノ(←釣具のコト)の設計や製作ぐらいはかまわんだろう」と、新しく上がってきたブランクスへの各種ガイドセッティングや、WAKE THE DEADの2ndプロトの製作&風呂桶テスト、個人用ウッドルアーの製作、いろんなルアーの変則的なフックセッティングなどをやっていました。他に盆直前にいただいた仕事もあったので、それらもPC上でやっていました。つまるところお盆も働いていたわけだ。そんなこんなで盆が明けてからもあれこれ忙しく、釣りには行かずじまい。
他にも、20年ほど前にもらった国産ライトスピニングロッドのガイドやハンドルを引っ剥がし、塗装も落とし、自分なりのセッティングに改造。それにしても「5」以下のKTSG等のガイドの取付ってうっとーしいですね(笑)。以前某メバルロッドのティップセクションのガイドを全部取り替えた時も「ああ、もうやりたくない」と思ったものですが、久しぶりにやるとさらに面倒。フツーの人ならいいんですよ。トーリョーほどではないにせよ、「前足」と陰口をたたかれてるワタクシの手でやる苦労を考えてみてください。小指でも指輪が17号という指で、ちまちました作業をやってるわけで、そらもう自分でもイヤになる…。ちなみにこのロッドはメッキなどに使う予定です。
9月になって少し暑さが落ち着いたら、ライギョ釣りにも行こうと思います。こう暑いと夜にならないと急深の岸からオーバーハングした木陰地帯からほとんど出てきてくれません。そこはキャストも届かないし、岸伝いのアプローチも不可能なのでどうしようもない…。足場のよくない池なので夜釣りはやりたくないし、けっこうイノシシも出るし…。君子危うきに近寄らず。

あまりの暑さに

あまりの暑さに宅トレをさぼりそうになるのですが、そこは気持ちを切り替えて、ここでさぼり癖をつけると、寄る年波に一気に飲み込まれてしまうぞ…と自分を奮起させ、通常通りの各種軽トレーニングを続けてます。「今より少しでも強化したい」というと、周囲からは「その年で頭がおかしいんじゃないの?」という顔をされますが、まあどう思われようがカンケーないので、まだできるうちにやっておこうと。まだまだ重たい荷物とともに行くべき場所があるからね。

映画『パリは燃えているか』を観つつ今の戦争をふと思いました。映画は1966年のもので、レジスタンスと自由フランス軍によるパリの解放を描いたものですが、パリを破壊しろというアドルフ・ヒトラー総統の命令に従わず、パリのドイツ軍司令官コルティッツは無条件降伏を決め、結果的にパリを完全破壊から守ります。その際の「総統は正気ではない」という発言と同質のものが、今の某国の側近たちから漏れることはないのだろうか?と。映画の中ではパリのドイツ軍本部内の電話機からヒトラーの「パリは燃えているか?(命令通りに破壊したか?)」という声が流れて、それがラストシーンなのですが、その部分は創作であり、ヒトラーが同じ作戦本部にいたヨードル大将に対して「Brennt Paris⁉(パリは燃えているか)」と3回叫んだというのが事実だそうです。偏執的なヒトラーの思考を理解するのは困難だし、歴史は事実でなく解釈として、事実を捻じ曲げてまでかつての広大な国を夢見る誰かの思考も理解不能です。産業も生活も文化もすっかり新しくなったのに、死後50年近くにもなる人物を信奉し、事実を闇に葬り邁進する誰かも理解しがたい。この映画が作られた頃、50数年も後に、現在のような状況が生まれているなんて予想した人は、ほとんどいなかっただろうと思います。ちなみに「(結果的に)パリを破壊から守った男」コルティッツは、パリ解放の3年後に釈放され、19年後の1966年に故国で死去。それはこの映画が封切られた年でもありました。
映画は前述のシーンで終わっていますが、パリ解放後にはヴィシー政府やドイツへの協力者への殺害や暴行、誤認による暴行、ドイツ将兵の愛人への各種私刑などが多数あったことも忘れてはならないと思います。

上のようなことを書いてたら、元ワグネルのプリゴジン氏死亡の報。ワグネルの共同設立者ウトキン氏らと乗っていた小型ジェット機が墜落したのだという。個人的な感想は「やっぱりやられたか…」。かつての反乱に対する某大統領からは考えられないユルい言葉、そして他国の大統領による「保証」とやらを信じた、いや信じてはいなかったかもしれない、ただそれに身を委ねざるをえなかった時点で、彼がこうなることは決定していたのだと思う。このところロシアに再び忠誠を誓うような発言があったが、それは身に迫る危険をなんとか回避するためだったのかもしれない かつての蜜月の関係を信じ、その程度のアナウンスがあの人物に通用すると思っていたのだろうか? あの国の中で起きた事件なので、おそらく真実は報道されないだろうし、核心は闇に葬られるかもしれない。その過程でまた人が消えるかもしれない。この粛清(←決定したわけではないが、おそらく)によって再びロシアの知人の言葉が思い起されます。「(冷酷な話のあとに)なぜかって?なぜなら彼はプーチンだからだ」。

不安だらけですね。同意って何?とか、処理水の海洋放出(それ自体の影響は未知数でもあるし、なにより風評被害と、それに乗じて正義面して騒々しくバッシングする国内外の人たちが怖いですね)とか、異様な燃料費の高騰とか、我々に知らされずに水面下で進行する各種政策とか。この先日本はどうなるのだろうね。

最近の!!な試合

★主要4団体統一ウェルター級選手権 エロール・スペンスJr. vs テレンス・クロフォード
WBA、WBC、IBF統一王者エロール・スペンスJr.とWBO王者テレンス・クロフォードの統一戦。ついにこの勝負が実現するのか…という期待感とともに観戦。おそらく総合能力において上をいくクロフォードが後半に勝つだろうな…と思いつつ観ていると、いきなり2Rに想像もしてなかったタイミングのパンチでスペンスJr.からダウンを奪取。その後完全にペースをつかんだクロフォードはラウンドが進むにつれ加速し、7RにはスペンスJr.の左フックにカウンターの右アッパーという、これまたとんでもないパンチでダウンを奪い、再開後もさらに右フックでダウン奪取。そして9Rにラッシュをかけて追い込み、レフェリーストップによるTKO勝ち。これでS.ライトに続き2階級で4団体統一という快挙を達成。あのスペンスJr.相手にここまでの差を見せつけるとは…と唖然とする試合だった。あまりのことに全盛期のフロイド・メイウェザーJr.とやったらどうなるだろう?とあらぬ想像をしてみたり…(笑)。PFP論争はこれでまたクロフォードがリードしたのではないだろうか?この総合力はやはり今のボクシング界随一といっていいと思う。ただ、もうこの階級には戦うべき相手がいない。まさかS.ウェルターに上げて、そこの4団体統一王者ジャーメル・チャーロと? そのジャーメル・チャーロは9月にカネロ・アルバレスと対戦予定。アルバレスはもともとこのS.ウェルター階級だが、現在はウェイトを上げてS.ミドルの4団体統一王者。しかもその前はライトヘヴィまで上げて、そこでもベルトを奪取。過去、一旦階級を上げ、その後に落とした選手がうまくいった例は少ない。チャーロvsアルバレスも非常に魅力的なマッチメイクだが、個人的にはチャーロvsティム・チューを観たかったな。先日鮮烈な1RKOで暫定王座を守ったティム・チューの攻撃力とチャーロの総合力のぶつかり合いは見ものだと思う。そのあたりとテレンス・クロフォードが…となると、これまたすごいことになりそう。ところがクロフォードはS.ミドルの4団体統一王者のアルバレスとの試合を望んでいるという。所属プロモーションや団体の件でなにがどうなるか難しいだろうけど。凄い選手がひしめく階級の今後から目を離せない。

最近の愛読書

★ペリリュー ー外伝ー 2 武田一義著 原案協力 平塚柾緒 白泉社
絵が絵だけに余計に沁みることがある。

最近の珍事件

★OSO18、ついに…
北海道標茶町と厚岸町で放牧中の牛66頭を襲い、うち32頭を死亡させたといわれる「OSO18」。北海道のモニター宮田君との話題にもよく上った「神出鬼没」のヒグマ。前肢足跡の幅が18cm(ちなみに宮田君が目撃し計測したヒグマの最大の足跡は幅20cm)であることからその名がついたわけですが、7月末にハンターによって駆除されたヒグマの体毛がOSO18の体毛とDNAが一致したらしい。のちの発表によると、実際にはOSO18の前肢の幅は20cmあったそうだし、体長(鼻っ面から尻まで)は2.1m、体重は推定330㎏だったそう。射殺後に軽の後ろに乗せられた写真を見ると、体長はともかく痩せていて体重はそんなになさそうだけど…(自分の目には300kgをだいぶ下回ってるように見えます)。2023年6/25に撮影されたモノと比べると、死体とはいえ、なんか弱々しい気もします。約1カ月で衰弱したのかな?駆除にいたる経緯など知りたいことがたくさんあります。それにしてもあの警戒心の塊のようにいわれた個体が、同じ牧草地に数日間現れ、駆除時にも人を見ても逃げず、3発の銃弾を受けて死んだというのはどういうことなんだろう? 顔にあった、別のヒグマにつけられたらしい傷から細菌が入り弱っていたのではないか…という話もあるが…。その後のオチとして、肉の一部はOSO18とは知らずに東京のジビエ店に送られ、食用にされたというのにも、一抹の「哀」を覚えます。
駆除発表後、早速宮田君と話をしましたが、今年もヒグマの出没例は多いそうです。市街地にもよく出るし、先日は家族でドライブ中に体長2m級のクマがすぐ前を走り抜けたそうだし、ライギョ釣りに行く池の近くに出たのを知人が目撃したそうです。釣りだけでなく、野外に出る際には十分気をつけないとね。

最近のお買い物

★特になし

SOUND CORNER Vol,204

『SROCK N ROLL JESUS』

KID ROCK

自分がKID ROCKなんて意外だと思われるだろう。このレコードはラップンロック/メタルから、メタルやヒップホップ要素が薄れ、カントリー&ウェスタンやサザンロック色が強くなってからのものであり、その最たるものが個人的な永遠のサマーソング「ALL SUMMER LONG」だ。JANIS の「SUMMERTIME」より、BISKAYAの「SUMMER LOVE」より、JUDAS PRIESTの「LAST ROSE OF SUMMER」より、BLUE CHEERの「SUMMERTIME BLUES(原曲はエディ・コクラン。日本の子供バンドも演ってましたね)」より、SUMMERといえばコレなのである。「ロンドンの狼男(「WEREWOLVES OF LONDON」)とLYNYRD SKYNYRDの「SWEET HOME ALABAMA」の絶妙なマッシュアップであり、懐かしさとナイーヴさとノリのよさを持ち合わせている。正直な話、自分はこの1曲のためにCDを買ったのだが、聴いてみると他にもいい曲はあり、「BLUE JEANS AND ROSARY」なんかもなかなか沁みる。イキったギャング風の曲もあるし、クソみたいな歌詞(←けなしているわけではなく、おもしろがってるのだ)もあるし、愛国的すぎる部分に不快感を覚える人もいるだろうが…。

southernnative

最近の愛聴曲

UESDAY’S GONE / LYNYRD SKYNYRD『ONE MORE FOR THE ROAD』
SWEET HOME ALABAMA / LYNYRD SKYNYRD『ONE MORE FOR THE ROAD』
CROSSROADS / LYNYRD SKYNYRD『ONE MORE FOR THE ROAD』
FREE BIRD / LYNYRD SKYNYRD『ONE MORE FOR THE ROAD』
自分にとってはLYNYRD SKYNYRDは夏に聴くバンド。最近は頭の中に「FREE BIRD」がふと流れて「じゃあ俺は出ていくわ。さようなら~。2度と会わんぞ」ということがなくなりました。
WE WILL ROCK YOU / U.D.O
WE WILL ROCK YOU / U.D.O『MY WAY』
MVもコミカルでイイ感じ。これはこれで「アリ」だ!
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