Monthly Whiplash

vol.231

Dec.2025

この雑記は適当にダラダラ書いているので、前回の原稿を渡した日(だいたい各月23日頃)の翌日から、約1カ月のことが出ています。今回の場合は10月25日から11月24日までです。

「Trembly Tiddler 95S」

WHIPLASHがこれまでに作ってきたABSインジェクションルアーのジャンルには、シンキング・ペンシル?いや、シンキング・リップレス・ジョインテッド・ミノーはありませんでした。ジョインテッドでなくても、シンキング・リップレス・ミノーもありませんでした。しかし、個人的にはかなり前から、その手のルアーの自分用バルサモデルは試作していて、動きの原理を探ったりはしていました。今回紹介する「Trembly Tiddler 95S」は、2024年に都市部の汽水域で釣りをしていた際に思いついたシンキング・リップレス・ジョインテッド・ミノー(長い!S.L.J.M)です。

その時は普通のシンキング・ペンシルを使っていたのですが、ちょうどその横で、小魚がヘロヘロ、フラフラと弱々しく泳ぎました。それがこのルアーの名称「震える小魚」につながるのですが、「この動きはジョインテッド・ボディにしたら近づけるかな…?」と思い、帰宅後に前後比率の様々な場所にジョイントを設けたバルサモデルを試作。その中のひとつがすごくイイ感じだったのですが、3Dプリンターによる樹脂ボディでやってみると全然ダメ。しかも中空でやるとなると、アイにエイト環を採用するにせよ、オメガ環を採用するにせよ、ウェイトの配置に無理が出てくる。いったん休止して、全体像も見直しました。そしてまたバルサで試作。今度はアイの配置やウェイトルームの設置にも配慮して数個。その中のひとつがイイ感じだったので、これをベースに3Dプリンターで試作してもらいました。こういう仕事に携わっている人ならわかることですが、3Dプリンター用の樹脂ではデータの通りにかなり精密に削り出しても、最終的なABSインジェクションモデルとは、重量の差異が発生します。それはそう大きくないルアーでも、形状やリブの数によっては「はぁ?」というぐらいの差になることがあります。なので、3Dプリンターでの試作は、あくまでも参考にしかなりません。このルアーも工場の方に無理を言って、素材を変更してもらったり、精度を上げてもらったりしながら、ある程度まで3Dプリンターのモデルで煮詰めた後、若干の変動に対応できるようにウェイトルームを設計しました。ABSインジェクションモデルは、ほぼ想定の重さに仕上がったので、ウェイトの配置も3タイプ試すだけで済みました。

このルアーのスペックは全長約95mm、総重量約13.7g。標準装備トレブルフックはST-46に相当するタイプで、サイズはお腹が#7でリアが#8。スプリットリングはすべて#2。各アイも世間の一般的なものに比べ、ワンランク強化した1.0mm径を採用。ジョイント部のオメガ環は1.2mm径を採用。デザイン面では、当初は「WHIPLASHらしくなるのかな?」と少し心配でしたが、自分が原型を製作したので、やはりそれらしくなってくれました。

このルアーの使用スタイルはかなり限定されます。リトリーブスピードは、デッドスローからスロー。ボディを小さく揺らしながら、弱々しく泳ぎます。弱った小魚が、表層をヨロヨロ、フラフラ泳いでる感じですかね。そういう小魚のイミテーションとしても使えますし、バチ抜け時のスズキやチヌにもイイと思いますよ。ほんの小さくロッドティップを揺らすと、ターンのようなウネるような苦悶のアクションを展開、そこからリトリーブに移ったりするのも効果的だと思います。苦悶→ヨロヨロのスローリトリーブ→苦悶→ヨロヨロのスローリトリーブという、シェイク&ゴーもいいと思います。テンションフォールでは、斜め前・下方にユラユラ揺れながら沈みます。細めで大きくないジョインテッド・ボディながら、総重量は約13.7gなので飛距離も確保できます。想定ターゲットは国内淡水域ではバス。ラージマウスはもちろん、「口の小さいヤツ」にも好適だと思います。海水域ではスズキ、チヌ(クロダイ)など。動きが微細なルアーなので、リーダーは16lb以下(12~14lbが好適か…)をお勧めします。 カラーサンプルの写真等の掲載は、もうしばらくお待ちください

TREMBLY TIDDLER 95S(トレンブリィ・ティドラー95S)
Length:約95mm Weight:約13.7. g(スプリットリング、トレブルフック含む)
Treble Hook:#7&8 Split Ring:#2
Color:8c*下記
TT36MFLB Mat Trans Back Chartreuse Silver Wing(マット・TBシャルト・シルバーウイング)
TT37MRMG Mat Natural Thing Trans Back(マット・ナチュラルシング・トランスバック)
TTS19RMG Trans Deep Sea Blue R(トランス・DSブルーR)
TTS20RMG Trans Back Blue Shinner(トランスバック・ブルーシャイナー)
TTS24WHC Clear Orange Wing(クリア・オレンジウイング)
TTS25PHG Ghost Shinner(ゴースト・シャイナー)
TTS26CLB Sunset Prowler(サンセット・プロウラー)
TTS27MCLB Fade Out Wimp(フェイドアウト・ウィンプ)
*TT36MFLB、TT37MRMGはマットフィニッシュ

10月下旬のメッキ釣りが

10月下旬のメッキ釣りが消化不良な感じだったので、11月初旬、同じエリアに行ってきました。数はそこそこ出ましたが、気分的にはイマヒトツ。…というのも夕方、1枚ミノーで釣った後に、なんかトップで出そうやな…と思い、付け替えて1投目、思惑通り水面が割れ、この日最大(といっても23cmほど)のメッキが釣れ、同行者にもトップに付け替えてもらい、さあこれから常夜灯タイムまで、トップで遊べるぞ…とわくわくしたにもかかわらず、海面は沈黙。時間が経つにつれ、出そうな気配はさらに薄れ、ペンシルベイトの発する飛沫が、むなしく薄暗い水面に散る…。でもまあいいこともあったのですよ。とある敷石&ゴロタ石エリアでルアーを引いてると、明らかにメッキとは異なるアタリがあり、魚は底へ底へと引いていく。少し浮かせると、敷石の隙間やゴロタ石に張り付こうとする。なんやろ?コーヘイ君が以前ハタ科の小さい魚を釣ったことがあり、少しマシなサイズの追いもあったといってたが、そんなヤツなんかな…と思いつつランディング。上がってきたのは、太い縞模様のある、体高のあまりない30cmの魚。これはひょっとしてクエの子供では?よく見るとやはりそうでした。もう7年ほど前ですが、この場所からほど近い港内で、スピードはないものの斜め下にグイーンと引き込むトルク型の引きをする、正体不明の魚をかけたことがありましたが、ひょっとしたらあれはもう少し大きい、40~50cm程度のクエの子供だったのかも。その魚は止めることも方向転換させることもできず、ぽろっとフックがはずれてしまったのですが、正体の選択肢が少し狭まりました。

今度は南紀へ

11月中旬、再びメッキ釣り。今度は南紀へ。5日前に行った知人からの情報では「Yのあたりは期待薄。それより南がいいのではないか。某河川の河口と漁港にサバの群れが入っていて入れ食い状態。サビキで大量捕獲している地元の釣り人もいた。しかもサイズは30cm前後なのでメッキタックルだと、ドラグを鳴らして走り回ってスリリング」とのこと。潮は入れ替わらないので、全部出て行ってしまってるということはないだろうということで、Yのあたりを少しチェックした後、今回は女子(?)も2名一緒なので、その方々にあわよくばサバの入れ食いを味わってもらおうと思い、某河川の河口域と漁港に移動することにしました。着いてみると釣り人はゼロ。嫌な予感がするぞ。それだけサバが入ってるなら、絶対それを狙う釣り人がいるはず…。案の定、いくらやっても反応なし。1本だけふらっと泳いでいるサバを見かけましたが、漁港にも河口にも皆無。メッキも渋くドチビが2枚釣れただけ。そんな中で救いだったのは、ニセクロホシフエダイでした。これまで15cm以内のものはけっこう釣ったことがありましたが、この日の夕方に出たのは25cmの良型。この1本の後、川も漁港も魚の出そうな雰囲気は減退し、かわりにダメな空気が立ち込めてきました。寒くなってきたし納竿。今回の釣行は、「サバおるおる詐欺」事案として、我々の記憶に残ることでしょう(笑)。

心よりお見舞い申し上げます

大分の大規模火災において被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

安青錦関の優勝はとても感動的でした。その故郷ウクライナは非常に厳しい選択を迫られています。大統領の口調や表情から、その重大さがにじみ出ています。大国による重圧とはこういうことなのか…と、こちらまで胸を切迫される感覚に陥ります。少しでもいい条件で、少しでも早く戦争が終わることを願っています。

「続けたければ続ければいい」というのは、ある意味脅迫にも感じます。彼が言う平和とは、何のための平和なのか?

最近の!!な試合

★WBOフェザー級選手権 ラファエル・エスピノサ vs アーノルド・ケガイ
身長185cm、リーチ188cmというフェザー級では規格外の体格を誇る無敗の王者エスピノサに、韓国系ウクライナ人で元ムエタイ王者のケガイが挑む試合。ちなみにケガイは日本の井上尚弥選手とほぼ同身長。だいたいこうなるだろうな…と予想していた通りの展開だったが、果敢に向かっていき、時にいいパンチを叩きこみ、ダメージにも耐えたケガイ選手を賞賛すべきだと思う。そして、ケガイ選手は難攻不落かつ好戦的なエスピノサ選手攻略のヒントを提示したのではないか…とも思う。
VSエスピノサなら、日本人選手では井上選手より、将来的にウェイトを上げた中谷選手がおもしろそう。
★WBCバンタム級王座決定戦 那須川天心 vs 井上拓真
戦前の個人的予想としては、「KOやTKOはない」「判定は離れたら那須川選手、距離をつぶしたら井上選手」という感じ。4R終了時の採点公開で3人のジャッジがみんな38:38イーヴンというのは少し意外だった。自分は39:37で那須川選手とみていたからね。6R、7Rには井上選手に「ウマイ!」というシーンが増えてきて、このあたりから流れが確定したかな…と思う。結果的にはユナニマス・ディシジョンで井上選手の勝利。スター風vs生粋のボクサーの試合は後者に軍配が上がった。双方ダウンもなく派手なシーンもなかったが、緊張感が持続した、見ごたえのある試合だったと思う。

最近の愛読書

★特になし

最近の珍事件

★カメムシ
近くの人造湖にルアーのアクション動画を撮りに行った際、まずは商品説明を…と湖岸にテーブルとイスを出していると、やたらとクサギカメムシが寄ってきました。ちょうど温度が上がる時間帯、ヤツらの活性も上がったようですが、特に表面温度の上がりやすい黒いものをめがけて飛んできました。バッグとか撮影していた担当氏のジャケットとか…。あちこちぶんぶん飛び回るので気が散って仕方がありません。多い時には半径1mに20匹ほどいたかな…。夕方に打ち合わせをしていたカフェの窓際にもたくさん。落ち着いて茶なんぞ飲んでいられるか。
しかし、カメムシ問題はこれで終了したわけではありませんでした。後日淡路島を運転中、車内に「ぶぅーん」という羽音が響いて、1匹の大型カメムシが運転席のフロントガラスの自分のすぐ顔の前にとまりました。そしてせかせかと動き回る。思わず「うわ、えらいこっちゃ」と声に出してしまいました。パートナーさんは「え、どうしたの?お腹の具合でも悪い?」「いや、そのようなものでは…」「ひょっとして、お腹が本気でヤバイとか?トイレ行く?」「違う!腹具合ではなくカメムシや、カメムシ」「え、どこ?」「フロントガラス。俺の顔の前」「うわぁ、これはえらいこっちゃ!」。動き回るだけでなく時折翅を出しかけるので、顔めがけて飛んでこられないかとヒヤヒヤしながら3分ほど運転。ちょうどコンビニがあったので、そこの駐車場に車を入れて、悪臭をかまされないように車外に放逐しました。このカメムシの種類はキマダラ。自宅周辺でもっとも普通に見かける種類です。これで安心と思っていたら、再び後部座席の方から羽音が…。なんともう1匹入っていました。こいつも無事に車外放逐。いつどこから入ったのかは不明ですが、先日車の中を掃除していた時ぐらいしか心当たりナシ。

最近のお買い物

★ダートのしやすいジグヘッドと咬み切られにくいソフトベイト
DECOYさんの「デルタマジック」とDAIWAさんの「月下美人デュアルビーム」を購入。普通のワームをクサフグとオニカマスの子供にちぎりまくられたので、その対策として。メッキのミノーやメタルジグへの反応がよくない時、いわゆるワインド系のアクションが効くことがありますが、ちょっと油断するとクサフグにやられてしまいます。あんな体形なのに以外に素早い(苦笑)。以前もフツーのワームをあっという間に5本ほど咬み切られたので、エラストマー製のヤツで少しでも損害を軽減しようと。結果的にダメージはマシではあったものの、やはりやられました。この組み合わせ、イイ動きするなあ。アオヤガラには無視されたけど。

SOUND CORNER Vol,231

『COME AN’ GET IT』

WHITESNAKE

2025.11/24、デイヴィッド・カヴァデール氏が音楽活動からの引退を表明。近年は歌い方も変わったし、けっこう無理があるなぁ…と思いながら、聴いていたのだが。とにかくお疲れさまでした、カッコいいロックをありがとうございましたというしかない。個人的には、一番売れたであろう華々しい時代は好きではない。その前のブルーズ色が強い時代が好きだった。『COME AN’ GET IT』は『READY AN’ WILLING』ほど総合評価は高くないものの、個人的には最も好きなレコード。いきなりキラーチューンで始まるわけではなく、ウォームアップするように始まりペースアップする。「DON’T BREAK MY HEART AGAIN」がクローズアップされることが多いが、スピードチューンの「HOT STUFF」や「HIT AN‘ RUN」、軽快な「WINE, WOMEN AND SONG」、重めで落ち着いた「LONELY DAYS, LONELY NIGHTS」や「CHILD OF BABYLON」、「WOULD I LIE TO YOU」や「GIRL」も渋いし、静かに始まり激しさを帯びる「TILL THE DAY I DIE」など、個性的でイイ曲が揃っていると思う。あ、ほぼ全曲や(笑)。なおこのレコードのジャケットは、国によっては物議を醸し、発禁になったりカバー を被せられたというイワクつき。理由はみればわかると思います。SCORPIONSのいくつかのジャケットにせよ、日本は意外に規制がユルイよなあ。「死ぬ日まで」とまではいかなかったけど、長い長いVo人生、本当にお疲れ様でした。

WHITESNAKE

最近の愛聴曲

全曲『BURN』/ DEEP PURPLE
全曲『STORM BRINGER』/ DEEP PURPLE
全曲『COME TASTE THE BAND』/ DEEP PURPLE
全曲『LOVEHUNTER』/ WHITESNAKE
全曲『READY AN’ WILLING』/ WHITESNAKE
全曲『COME AN’ GET IT』/ WHITESNAKE
全曲『SAINTS AND SINNERS』/ WHITESNAKE
全曲『SLIDE IT IN』/ WHITESNAKE
全曲『COVERDALE・PAGE』/ COVERDALE・PAGE
よく聴いていたカヴァデール氏関連のレコードを再聴。やっぱり『SLIDE IT IN』までが好きだな。
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